研究課題/領域番号 |
23K05452
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
山根 史博 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40570635)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 農山漁村移住 / テキストマイニング / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、農山漁村移住に関心を持つ都市住民のうち、実際に移住に至る人々とその途中で停滞する人々との移住動機と阻害要因の相違の解明を試み、また、そうした動機と阻害要因の全体像を的確に把握するための調査を設計・実践することで、農山漁村移住の促進に資する確度の高い定量的知見を提供するものである。具体的には、移住に関心を持つ都市住民を、関心を持つのみの関心停滞群、移住の準備を進めるも実現に至っていない準備停滞群、移住を実現した実現群の3群に分け、各群を対象に移住動機と阻害要因を問うアンケート調査をを行うことで、移住動機と阻害要因の群間比較を行う。 2023年度は、アンケート調査の設計に必要な知見を収集・整理するため、農山漁村と都市の住民の価値観や生活習慣の差異を扱った文献調査を行った。また、昭和初期の食生活を分析することで、当時の農山漁村で暮らしていた人々の価値観や生活様式の抽出に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
農山漁村と都市の差異を扱った研究は膨大にあり、その収集・整理に予定以上に時間を要している。ただし、これを精緻に行うことが適切な調査設計を行う上で不可欠であるため、これにしっかり取り組めていることは順調な進展と言える。 もちろん、研究期間の制約はあるが、これについては2回行うことを予定しているアンケート調査(自由回答形式、選択肢形式)を1回の調査に集約する等で調整することも検討していく。先行研究を緻密に整理し、その上で農山漁村移住の動機と阻害要因を把握するための適切な仮説を立てることができれば、1回の調査で妥当かつ新規性の高い分析結果を得ることは可能であり、むしろ発展的な調整と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、調査回数は減るかもしれないが、妥当かつ新規性の高い調査結果を得るために、さらなる先行研究の整理に努めていく。2024年度に先行研究の整理と調査設計、アンケート調査を実施し、翌2025年度に得られたデータの分析を行う。この調査は自由回答形式にする予定であり、テキストマイニングで分析することで、農山漁村移住の動機と阻害要因を把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今現在先行研究の収集・整理に注力しており、2023度に行う予定にしていたアンケート調査(自由回答形式)を2024年度に繰り越すことにしたため、次年度使用額が生じている。 この次年度使用額は2024年度の調査経費に加算する予定である。具体的には、2024年度のアンケート調査は選択肢形式ではなく、自由回答形式に変更し、経費も次年度使用額分加算することでやや大規模に行うことにする。その利点は、選択肢形式よりも自由回答形式の方が新しい知見が得られやすいこと、また自由回答形式のデータはテキストマイニングで分析するが、有効な分析結果を得るためにはビッグデータであることが望ましいことの2点である。
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