研究課題/領域番号 |
23K05453
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中村 真人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (60414463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 農業集落排水施設 / 再生可能エネルギー / メタン発酵 / 農村 / 熱 |
研究実績の概要 |
エネルギーの地産地消による再生可能エネルギー導入拡大とスマート農業の進展等による農村地域の新たなエネルギー需要への対応という観点から、農村地域において小規模分散型のエネルギー供給拠点が必要である。全国に4,800カ所整備されている農業集落排水施設に、電気・熱供給の柔軟な調整が可能なメタン発酵を導入する、新たなエネルギー供給システムは上記課題の有力な解決策である。しかしながら、本システムにより、農村特有のエネルギー需要にどの程度対応できるかについては検証が必要である。そこで本研究では、農村特有の電気、熱の需要に柔軟に対応可能な集排施設併設型小規模メタン発酵システムを開発することを目的とする。 本研究では、「メタン発酵システムのモデル化」と「集排施設のエネルギー供給拠点としてのシステム評価」の2つの研究項目に取り組む。令和5年度、研究項目1では、メタン発酵モデル構築に必要なパラメータ(原料の有機物濃度、発酵過程での有機物分解率、窒素濃度等)、モデルの精度検証に必要なデータ(原料投入とガス発生量が対応したデータ)を入手し、メタン発酵槽の放熱量予測方法を検討した。また、メタンガス利用モデルを検討するため、施設園芸等農村の熱利用施設に関する情報収集を行った。研究項目2については、農村地域の関連施設の現状の電力消費パターンを実測データと文献調査により入手し、整理に着手した。また、制度や発電機の運転条件等の制約を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル化やシステム評価に必要な情報の収集が順調に進んでいることから、研究はおおむね順調に進展している、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度から継続して、「メタン発酵システムのモデル化」と「集排施設のエネルギー供給拠点としてのシステム評価」の2つの研究項目に取り組む。令和5年度に開始した、メタン発酵モデル構築に必要なパラメータ(原料の有機物濃度、発酵過程での有機物分解率、窒素濃度等)、モデルの精度検証に必要なデータ(原料投入とガス発生量が対応したデータ)、メタン発酵槽の放熱量予測方法、農村地域の関連施設の現状の電力消費パターン整理を進め、モデル構築に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、現地調査をまとめて行うなど、研究費を効率的に使用して発生した残額である。次年度において、現地調査、現地計測等を当初より増やし、その旅費や計測機器購入に使用する予定である。
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