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2023 年度 実施状況報告書

吸血活動トラッキング法によるサシバエの時空間的吸血挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05517
研究機関茨城大学

研究代表者

小針 大助  茨城大学, 農学部, 准教授 (50396595)

研究分担者 北野 誉  茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90400564)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードサシバエ / 動物園 / 血液DNA / トラップ / 空間分布
研究実績の概要

本研究は,近年様々な動物飼育施設で問題となっている吸血昆虫の一種であるサシバエの吸血移動特性の解明を目的としたものである。特に吸血対象となる様々な動物が存在する動物園内で捕獲されたサシバエの吸血血液からDNAを抽出することで,サシバエの吸血嗜好種を明らかにし,獣舎の空間配置から集中発生域を特定するとともに,園内でのサシバエの捕獲位置情報との関係からサシバエの移動特性を明らかにする(研究課題1)。さらに,動物園毎の風況(風向・風速)の日内変化や季節変化とサシバエの捕獲位置情報との関係から,制御の基礎情報となる施設の環境物理条件に応じたサシバエの吸血飛翔活動の特徴を明らかにする(研究課題2)。
研究課題1に関しては,日立と千葉での調査において,事前に予測された種で集蝿数が高いことが確認された。研究課題2に関しては,被吸血動物の吸血血液DNAから,サシバエの平均飛翔距離が67.8 ±85.2mで、最大150m以上飛翔していることが確認された。また、移動の際の高度については,主に1m以下の空間を利用している可能性が確認された。遠隔地へ飛翔したサシバエはDNA保有個体の34%(16/47個体)で,飛翔経路方位については、全体の半数以上が風向と一致していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全国のJAZA加盟動物園を対象に実施した事前アンケートにより推定された吸血コア種となる動物種において,初年度の2園における調査から,あらためてターゲットになりやすい動物種の獣舎周辺で集蝿数が高くなることが確認されており,獣舎の配置から園毎のホットスポットを特定できる可能性が示唆された。また,サシバエの園内移動と風況との関係についても,遠隔地への移動が見られた個体の吸血血液DNAの情報から,風に乗っている傾向が確認された。

今後の研究の推進方策

研究課題1の動物種との関係については,対象動物園を追加してあらためて確認するとともに,同じ動物園を対象に調査を実施することにより経年同所性について確認する。
研究課題2の風況とサシバエの移動の関係については,特にホットスポットからの拡散との関係について,実験条件に適合する動物園を選定し,特定エリアからの全方位的な移動状況のモニタリングを実施する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度の夏季高温により,サシバエの発生に大幅な遅れが出たため,DNA採取用の捕獲サシバエ数が予定よりも少なくなり,そのための分析費の使用が少なくなった。その分は次年度以降に回すこととなる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 動物園内におけるサシバエの飛翔移動に及ぼす風向の影響2023

    • 著者名/発表者名
      松田朋丸・北野誉・生江信孝・風間健心・小針大助
    • 学会等名
      動物の行動と管理学会2023年度研究発表会
  • [学会発表] サシバエの吸血飛来反応に対するシマウマと家畜馬の忌避行動評価2023

    • 著者名/発表者名
      門田優人・有川瞭・生江信孝・千葉茂・中山侑・豊田淳・北島康樹・小針大助
    • 学会等名
      動物の行動と管理学会2023年度研究発表会

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公開日: 2024-12-25  

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