研究課題/領域番号 |
23K05531
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
石井 利明 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50264809)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | てんかん / キンドリングマウス / ビフィズス菌 / Pentylenetetrazole / プロバイオティクス / Integrin-linked kinase / Akt / Neuropsin |
研究実績の概要 |
てんかんモデルマウスであるpentylenetetrazole(PTZ)誘発性のkindling(KD)マウスに、プロバイオティクスBifidobacterimu breve strain A1 [MCC1274](Bifido-A1)を経口投与した場合のてんかん発作改善効果を、KDマウスで認められるてんかん発作をスコアー化し、Bifido-A1によるてんかん発作改善効果を評価した。PTZ(37 mg/kg)は15日間1日置きに8回腹腔内投与し、また、Bifido-A1(3.25 億 cfu菌体、1回/日)はPTZを投与しない日に隔日で8回経口投与した。行動測定後のマウスから海馬を摘出し、神経可塑性を調節するneuropsin、integrin-linked kinase (ILK)、神経成長因子BDNF、活性化ミクログリアの指標であるIba1のmRNA発現量をリアルタイムPCR法により解析した。さらに、mRNA発現量の変化が認められたILKと neuropsinならびに、生存シグナル分子のリン酸化Akt(pAkt)タンパク質発現量はウエスタンブロット法により評価した。Bifido-A1はKDマウスのてんかん発作を有意に抑制した。NeuropsinのmRNA発現量はKDマウスで有意に減少しBifido-A1投与したKDマウス群はそれを阻害した。ILK mRNA発現量はBifido-A1投与したcontrol群でのみ有意に増加した。 また、ILKとneuropsinのタンパク質発現量もmRNA発現の変化と同様な結果が認められた。一方、pAktタンパク質発現量はBifido-A1投与したKDマウス群でのみ有意に増加した。これらの結果から、Bifido-A1のてんかん抑制作用にはILK-pAktシグナルの活性化が関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特段問題なく計画通り順調に研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
Bifido-A1のてんかん抑制作用にはILK-pAktシグナルの活性化が関与している可能性が考えられたため、ILKの阻害薬を投与した場合のてんかん発作の変化について調べるとともに、同時にpAktタンパク質の発現変化についても調べる。
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備考 |
特願2022-089546 抗てんかん用組成物 [発明者:石井利明]
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