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2023 年度 実施状況報告書

犬の慢性腸炎からリンパ腫への進展:悪性化に寄与する遺伝子の同定と診断・治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K05573
研究機関酪農学園大学

研究代表者

大田 寛  酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50431333)

研究分担者 横山 望  北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (60599059)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード慢性腸炎 / 小細胞性消化器型リンパ腫 / RNA-seq / 発現上昇
研究実績の概要

2023年度は、腸炎症例8例、小細胞性消化器型リンパ腫4例の腸粘膜生検組織を用いて、網羅的な遺伝子発現解析手法であるRNA-seq解析を行い、小細胞性消化器型リンパ腫で有意な発現の変化(2倍以上、または1/2以下)を認める遺伝子を抽出した。その結果、小細胞性消化器型リンパ腫で有意な発現上昇を認める遺伝子が28遺伝子、有意な発現低下を認める遺伝子が7遺伝子抽出された。小細胞性消化器型リンパ腫で有意な発現上昇を認めた28遺伝子のうち、リンパ球の活性化や腫瘍化と関連する遺伝子が7つ認められた。これらの7つの遺伝子の発現をリアルタイムPCRで確認(バリデーション)するため、上記のRNA-seq解析で用いた症例と異なる症例の腸粘膜生検組織からTotal RNAの抽出およびcDNAの合成を行なった。現在までに、組織学的に正常な腸粘膜7例、腸炎症例の腸粘膜10例、小細胞性リンパ腫症例の腸粘膜9例のcDNA合成を終えており、上記7遺伝子の発現をバリデーションする準備ができている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、RNA-seq解析を行いて腸炎と消化器型リンパ腫で発現が異なる遺伝子を抽出することを計画しており、その目標はおおむね達成された。また2023年度から2024年度にかけてリアルタイムPCRで遺伝子発現を確認(バリデーション)する計画であったが、既に解析するサンプルの調整は終えており、2024年6月までに解析が終了する予定である。

今後の研究の推進方策

2023年度にRNA-seq解析で抽出され、リアルタイムPCRで遺伝子発現の上昇が確認(バリデーション)された遺伝子のうち、特にリンパ球の腫瘍化に関連することが予想される遺伝子を選定してin situ hybridizationによる局在解析・発現解析を行う。
また、大細胞性消化器型リンパ腫症例のRNA-seq解析を追加する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は国内学会ならびに海外学会それぞれ1回参加の計画であったが、国内学会1回のみの参加となった。そのため旅費として執行する予定であった予算の一部が次年度使用額となった。2024年度は、6月にアメリカで開催されるアメリカ獣医内科学会に参加することが決定しており、その旅費として予算執行する計画である。

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公開日: 2024-12-25  

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