研究課題/領域番号 |
23K05764
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久万 亜紀子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (30392377)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | オートファジー / 小胞体 / オルガネラ / コンタクトサイト |
研究実績の概要 |
オートファジーは細胞内成分(オルガネラ含む)の代謝回転を担う分解システムであり、その破綻は神経変性疾患などの様々な疾患の要因となる。よって、オートファジーの分子機構解明は重要な課題である。申請者は、長らくオートファジー遺伝子欠損マウス(Atg5欠損マウス)の解析を行い、オートファジーの生理機能を明らかにしてきた。この過程でAtg5欠損マウス組織にはオートファジーの分解基質が蓄積すると同時に、オートファゴソーム形成/制御因子が多数蓄積することを見出した。オルガネラ膜接触部位関連因子、小胞体の形態制御因子、ゴルジ体局在膜タンパク質など多くのオルガネラ局在タンパク質が蓄積しており、これまで情報が少なかったオートファゴソームとオルガネラの連携を解析する重要な手がかりを得ることに成功した。本研究ではオートファゴソームとオルガネラとの連携、特にオートファゴソーム形成部位である小胞体との連携に注目して、オートファジーの分子機構解明に取り組む。本年度は、オルガネラ選択的オートファジーの評価系を作製した。また、オートファゴソームと小胞体のコンタクトサイトの詳細な観察を行った。さらに、同定したゴルジ体局在膜タンパク質がゴルジ選択的オートファジーの受容体として働くことを明らかにし、ゴルジ体特異的オートファジーの分子機構の一端を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スクリーニングにより得られたオートファジー関連候補因子を手がかりに、オートファゴソームと小胞体との連携について解析を進めており、順調にデータが得られている。また、split-TurboIDを用いた小胞体因子探索の準備も開始した。小胞体因子のほか、候補因子として得られたゴルジ体局在膜タンパク質の機能解析を行い、ゴルジ体特異的オートファジーの受容体として働くことを見出した。本成果を論文投稿し、現在リバイス中である。オルガネラ選択的オートファジーの評価系を作製し、論文発表した(JCB2023)。
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今後の研究の推進方策 |
現在解析中のオートファジー関連候補因子について引き続き解析を進める。オルガネラコンタクトサイトの形成を評価できるシステムを導入したので、候補因子のコンタクトサイト形成への関与を定量的に評価する。また、split-TurboIDによるオメガソーム因子の同定を試みる。
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