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2023 年度 実施状況報告書

ラミンの均一な網目構造は、核の機能に重要か?

研究課題

研究課題/領域番号 23K05772
研究機関立教大学

研究代表者

山本 美紀 (日野美紀)  立教大学, 理学部, 特定課題研究員 (40301783)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード核ラミナ / 網目構造
研究実績の概要

本研究課題では、(1) 核ラミンの均一な網目構造が形成されるメカニズムの解明 (2) ラミンの均一な網目構造の重要性の解明 (3)哺乳動物で、ラミン分布の均一性に関わる分子の同定を目指している。本年度は主に、(1)(3)について研究を実施した。
(1)については、ショウジョウバエにおいて、まずラミンの均一な網目構造の維持に重要な役割を果たすPIGBと、ラミンの両方に相互作用する分子を、プロテオミクス解析によって探索した。その結果、Lamin B receptorやOtefinなどの候補分子が得られた。それらの分子をノックダウンしてラミンの局在を検討したが、ラミンの局在は正常であった。したがって少なくともプロテオミクス解析で明らかになった相互作用分子の中には、PIGB-ラミンの複合体を介して均一な網目構造の形成に影響を与えるものはないと考えられた。
(3)については、哺乳動物でラミンの網目構造形成に必要な分子を同定するために、疾患を引き起こす変異ラミンのうち、網目構造が異常になっている変異ラミンL489Pと、正常ラミンの間で結合が変化している分子の同定を試みた。その結果、Barrier-to-autointegration factor(BANF1)とラミンの結合が低下していることが明らかになった。BANF1はラミンとクロマチンの両方に結合し、核の様々な機能を調節している分子である。また、別の試みとして、核膜に局在する様々な膜蛋白質をノックダウンして、ラミンの網目構造に影響を与える分子があるかどうか、検討を行った。その結果Sphingomyelin phosphodiesterase 4 (Smpd4)のノックダウンによって、核膜の構造に異常が生じていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)についてはラミンとPIGBと複合体を形成してラミンの網目構造に影響を与える分子を見つけることはできなかったが、(3)に関してはBANF、Smpd4などの候補分子を得ることができた。また(2)についてもクロマチン構造を調べるための準備が進行しているので、概ね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

今後は、哺乳動物でラミンの均一な網目構造に影響を与える候補分子であるBANF、Smpd4を中心として、これらがどのようにラミンの均一な網目構造の形成と維持に関与しているのか、明らかにする。またその異常によって、核の機能やクロマチン構造にどのような影響があるのか、検討を続けていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していたプロテオミクス解析を徳島大学との共同研究で行うことができたため、その費用を使用しなかった。次年度以降の委託解析、消耗品、学会参加費などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] PIGB maintains nuclear lamina organization in skeletal muscle of Drosophila2024

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto-Hino Miki、Ariura Masaru、Tanaka Masahito、Iwasaki Yuka W.、Kawaguchi Kohei、Shimamoto Yuta、Goto Satoshi
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 223 ページ: e202301062

    • DOI

      10.1083/jcb.202301062

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 細胞核の多彩な機能を支えるタンパク質の発見 ジストロフィーを引き起こすラミノパチーの理解

    • URL

      https://www.rikkyo.ac.jp/news/2024/01/mknpps000002fb1x.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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