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2023 年度 実施状況報告書

マウスの細微な動き情報をデータ要素とした行動表現型の評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K05860
研究機関愛知医科大学

研究代表者

服部 聡子  愛知医科大学, 研究創出支援センター, 准教授 (00415564)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード行動解析 / マウス
研究実績の概要

我々は、相手の細かな動きから情動や思考などを推測できる場合があることを経験的に知っている。実際に、学術研究目的で行う行動解析では、実験者によって観察されるげっ歯類などの動物の動きや反応を用いて脳の機能を評価している。しかし、これまでは動物の動き情報の一部を利用した仮説駆動型の行動解析が主流となっており、観察される動き情報の多くは活用されていなかった。そこで本研究では、マウスの細微な多次元の動き情報をデータ要素とした行動表現型の新しい評価方法を開発することを目的とする。
研究開始初年度である本年度は、基礎的な行動解析手法であるオープンフィールドテストに対して、再現性の高いデータの取得が可能な環境の構築、実験条件の検討を行った。標準的な近交系マウスであるC57BL/6Jを用いて、実験時間帯や照度などが異なる様々な実験条件・環境下でオープンフィールドテストを行い、従来の行動指標を評価基準とした解析により、評価系構築のための至適条件を検討し絞り込みを行った。これにより、今後の実験の基準となるプロトコルを作成した。また、取得したデータに対して機械学習を用いた解析を行い、時間的、空間的解像度の高い動物の細微な動き情報(体の各部位の三次元位置情報、顔や体の向きなど)を含む、新しい行動指標となり得るパラメータの探索を行った。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始初年度である本年度は、温度、照度、臭気、騒音等を可能な範囲で調整できる実験環境を整備し、安定して再現性の高いデータの取得が可能な環境の構築を行った。構築した環境下において、標準的な近交系マウスであるC57BL/6Jを用いて、基礎的な行動解析手法であるオープンフィールドテストを行い、新しい行動指標の評価系構築のための至適条件を検討を行った。実験時間帯や照度などが異なる様々な実験条件下で取得した行動データに対して、従来の行動指標を評価基準とした解析を行い、それらのパラメータの違いによる行動への影響を検討するとともに、今後の実験の基準となるプロトコルを作成した。また、取得したデータに対して機械学習を用いた解析を行い、時間的、空間的解像度の高い動物の細微な動き情報(体の各部位の三次元位置情報、顔や体の向きなど)を抽出し、新しい行動指標となり得るパラメータの探索を行った。研究代表者の異動により、実験環境を一から構築するところから始めることとなり、実験系の立ち上げを含めた試行錯誤を多く行うこととなったが、概ね計画通り順調に進めることができた。

今後の研究の推進方策

来年度以降は、近交系マウスであるC57BL/6Jに対して、抗不安薬や記憶形成を阻害するタンパク質合成阻害剤、各種受容体の作動薬・阻害薬等を投与し、今回作成したプロトコルに従って行動データを取得する。得られたデータに対して機械学習または統計学的分析を行うことにより、新しい行動指標の導出と妥当性の評価を行う。本年度実施した実験条件の検討および、新しい評価指標の導出は、本研究の成否における重要なポイントであるため十分に時間をかけ、場合によってはよりよい実験条件の再検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

初年度に購入を検討していた解析用のWindows PCについて、必要なスペックを見定めるために、もう少し実験を重ねる必要があると判断したため、購入を翌年度に延期することとした。そのため、次年度使用額とした分は、2年目にWindows PCを購入する分に充てる計画である。そのほか翌年度分として請求した助成金は、従来の計画通り、行動実験用のマウスや試薬の購入等に使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件)

  • [雑誌論文] Large-scale animal model study uncovers altered brain pH and lactate levels as a transdiagnostic endophenotype of neuropsychiatric disorders involving cognitive impairment2024

    • 著者名/発表者名
      Hagihara Hideo、Shoji Hirotaka、Hattori Satoko et al.
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 12 ページ: RP89376

    • DOI

      10.7554/eLife.89376

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] In utero Exposure to Valproic Acid throughout Pregnancy Causes Phenotypes of Autism in Offspring Mice2023

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhashi Takayuki、Hattori Satoko、Fujimura Kimino、Shibata Shinsuke、Miyakawa Tsuyoshi、Takahashi Takao
    • 雑誌名

      Developmental Neuroscience

      巻: 45 ページ: 223~233

    • DOI

      10.1159/000530452

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Comprehensive behavioral analyses of mice with a glycine receptor alpha 4 deficiency2023

    • 著者名/発表者名
      Darwish Mohamed、Hattori Satoko、Nishizono Hirofumi、Miyakawa Tsuyoshi、Yachie Nozomu、Takao Keizo
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 16 ページ: 44

    • DOI

      10.1186/s13041-023-01033-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Inversed Effects of Nav1.2 Deficiency at Medial Prefrontal Cortex and Ventral Tegmental Area for Prepulse Inhibition in Acoustic Startle Response2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Toshimitsu、Hattori Satoko、Mizukami Hiroaki、Nakajima Ryuichi、Hibi Yurina、Kato Saho、Matsuzaki Mahoro、Ikebe Ryu、Miyakawa Tsuyoshi、Yamakawa Kazuhiro
    • 雑誌名

      Molecular Neurobiology

      巻: 61 ページ: 622~634

    • DOI

      10.1007/s12035-023-03610-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Gastric inhibitory polypeptide receptor antagonism suppresses intramuscular adipose tissue accumulation and ameliorates sarcopenia2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Yuya、Fujita Hiroki、Seino Yusuke、Hattori Satoko、Hidaka Shihomi、Miyakawa Tsuyoshi、Suzuki Atsushi、Waki Hironori、Yabe Daisuke、Seino Yutaka、Yamada Yuichiro
    • 雑誌名

      Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle

      巻: 14 ページ: 2703~2718

    • DOI

      10.1002/jcsm.13346

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Intracytoplasmic sperm injection induces transgenerational abnormalities in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Kanatsu-Shinohara Mito、Shiromoto Yusuke、Ogonuki Narumi、Inoue Kimiko、Hattori Satoko、Miura Kento、Watanabe Naomi、Hasegawa Ayumi、Mochida Keiji、Yamamoto Takuya、Miyakawa Tsuyoshi、Ogura Atsuo、Shinohara Takashi
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation

      巻: 133 ページ: e170140

    • DOI

      10.1172/JCI170140

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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