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2023 年度 実施状況報告書

閉じた目の瞳の大きさは変化するのか? -閉眼・睡眠時の瞳孔径と眼位計測法の開発-

研究課題

研究課題/領域番号 23K05954
研究機関関西医科大学

研究代表者

宮内 哲  関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80190734)

研究分担者 PRIMA・OKY・ DICKY  岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (20344624)
河野 理  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90447011)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード瞳孔 / 眼位 / 近赤外光 / 青斑核 / 機械学習
研究実績の概要

本研究では,これまで計測が不可能だったヒトの閉眼時及び睡眠時の瞳孔径と眼位を計測するシステムを開発する。瞳孔径及び眼位(眼球が静止している位置) は,神経精神疾患,発達障害,注意障害などの臨床医学及び脳神経科学における重要な生理的指標である。特に瞳孔径は自律神経系の重要な指標であるとともに,生理学的覚醒及び注意の調節に関与し,アルツハイマー病との関連でも注目されている青斑核の活動を鋭敏に反映する。しかしヒトの閉眼時の瞳孔径と眼位を計測する方法はない。また青斑核は脳幹背側にある微小な神経核で,ヒトでの計測は機能的磁気共鳴画像などを用いても困難である。以上の理由からヒトの閉眼時・睡眠時の瞳孔径,眼位と,青斑核の活動に関する知見は極めて限られている。
申請者は,口腔内に近赤外光源を入れると,近赤外光が口蓋→上顎洞→眼球組織→瞳孔→眼瞼を通過して眼瞼上に瞳孔が投影され,瞳孔の大きさと位置に応じて投影像が変化することを発見し特許を出願した。この眼瞼上の瞳孔の投影像を高感度カメラで撮影し,閉眼時の瞳孔径と眼位を計測するシステムを開発し,ヒトの睡眠時及び閉眼時の計測を行い,睡眠生理学及び神経精神疾患の診断における新たな生理学的指標を確立する。
令和5年度は,研究分担者の河野と共に,現有の計測システムを用いて,近赤外光量,波長(850及び940nm),光源の口蓋内での位置,露出時間を変えて眼瞼上の瞳孔像を撮像し,撮影パラメーターの最適化を行った。さらに,機械学習のための閉眼時眼位と瞳孔径データを収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は,現有の計測システムを用いて,近赤外光量,波長(850及び940nm),光源の口蓋内での位置,露出時間を変えて眼瞼上の瞳孔像を撮像し,撮影パラメーターの最適化を行った。さらに,機械学習のための閉眼時眼位と瞳孔径データを収集した。
令和5年10月頃より,同一の計測条件にもかかわらず瞳孔の投影像が不安定になる現象が生じ始めた。調査の結果,近赤外光源用の直流安定化電源の経年劣化が原因であることが判明し,既有の別の安定化電源に置き換えることにより解決した。このトラブルにより二三ヶ月の遅れが生じた。そのため,撮像パラメーターの最適化はほぼ完了したが,機会学習用のデータ収集に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

機械学習では膨大なデータを必要とする。「現在までの進捗状況」に記したように,撮像パラメーターの最適化はほぼ完了したが,直流安定化電源の不良により遅延が生じたため,機会学習用データの収集に遅れが出ている。令和6年度前半にデータ収集を行い,研究分担者のプリマと共に機械学習による瞳孔径及び眼位推定の有効性を確認する。

次年度使用額が生じた理由

「現在までの進捗状況」に記したように,近赤外光源用の直流安定化電源の経年劣化が原因で機械学習用のデータの収集に遅れが生じたため,令和5年度に予定していた物品の購入を令和6年度に延期した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 臨床脳波学における Gibbs 夫妻の光と影2024

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 雑誌名

      臨床神経生理学

      巻: 52 ページ: 21-25

    • DOI

      10.11422/jscn.52.21

    • 査読あり
  • [学会発表] Gibbs夫妻と臨床脳波学2024

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 学会等名
      第46回Fmθ研究会
  • [学会発表] 臨床脳波検査に使用されるモンタージュの実態:日本臨床神経生理学会編集委員会によるアンケー ト調査2023

    • 著者名/発表者名
      岩崎 真樹, 国分 則人, 白石 秀明, 宮内 哲, 池田 昭夫
    • 学会等名
      第 53 回日本臨床神経生理学会学術大会
  • [学会発表] 睡眠脳波研究のこれまでとこれから2023

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 学会等名
      日本生理人類学会睡眠研究部会
    • 招待講演
  • [学会発表] QEEG検査 -歴史と現状-2023

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 学会等名
      第45回 Fmθ研究会
  • [学会発表] 光トポグラフィー検査及びQEEG検査による精神疾患診断(補助)の問題点2023

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 学会等名
      精神科専門医障害教育研修会
    • 招待講演
  • [図書] 睡眠学百科事典(睡眠実験の研究技法④脳機能画像研究)2024

    • 著者名/発表者名
      宮内哲(共著)
    • 総ページ数
      768
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30921-6

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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