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2023 年度 実施状況報告書

脳損傷後に起こる硬膜リモデリングのメカニズムと意義

研究課題

研究課題/領域番号 23K05962
研究機関名古屋大学

研究代表者

小西 博之  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90448746)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード硬膜 / リンパ管 / 損傷 / 炎症 / 髄膜
研究実績の概要

これまで脳損傷に対する研究は、脳を構成する細胞群(神経細胞、グリア細胞や血管内皮細胞など)やそれら細胞間の相互作用に主に着目し進められてきたが、効果的な治療法は確立されていない。新たな治療法を生み出すためには、今までにない視点からの病態解明が必要だと考えられる。本研究は、脳を包む硬膜に着目し、脳梗塞後に硬膜が肥厚などリモデリングを起こす分子/細胞メカニズムと、硬膜リモデリングが脳損傷にもたらす影響を明らかにすることを目的とした。
研究代表者は脳損傷後に硬膜組織が顕著にリモデリングされ、硬膜内からリンパ管が損傷脳内へ侵入するという新規現象を見出している。脳に比べ硬膜の解析技術は確立されていない。脳損傷が硬膜に及ぼす影響を詳細に観察するため、まず硬膜の組織学的解析技術の確立に取り組み、頭部を丸ごと脱灰し頭蓋骨ごと脳切片を作成する手法や、頭部を透明化後に硬膜を3次元的に観察する手法を確立した。そのような技術を用い、脳損傷後にリモデリングされる硬膜の組織変化をタイムコースに沿い調べた結果、そのリモデリングにマクロファージや線維芽細胞が関与する可能性を示唆するデータを得た。また、硬膜から損傷脳内へのリンパ管侵入のタイムコースやリンパ管の詳細な形態を、リンパ管レポーターマウスであるProx1-GFPマウスやLyve1、VEGFR3、Podoplaninなどリンパ管マーカー抗体を用い明らかにし、リンパ管関連の基礎データを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

硬膜の解析技術を確立し、研究遂行に必要な基礎データを得た。それらの結果の一部は学会等で報告した。

今後の研究の推進方策

硬膜から損傷脳内へリンパ管が侵入する分子・細胞メカニズムに加え、損傷脳内でリンパ管網が果たす役割について研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

購入を予定していた高額試薬の使用時期に変更が生じ、購入を延期したため。今後の実験の進捗状況に合わせて、適切なタイミングで購入する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Repeated cold stress, an animal model for fibromyalgia, elicits proprioceptor-induced chronic pain with microglial activation in mice2024

    • 著者名/発表者名
      Wakatsuki K, Kiryu-Seo S, Yasui M, Yokota H, Kida H, Konishi H, Kiyama H
    • 雑誌名

      J Neuroinflammation

      巻: 21 ページ: 25

    • DOI

      10.1186/s12974-024-03018-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 硬膜内リンパ管のリモデリングによる脳損傷部位からの細胞残骸排出2024

    • 著者名/発表者名
      小西博之
    • 学会等名
      第7回包括的神経グリア研究会
  • [学会発表] 硬膜内リンパ管のリモデリングによる脳病態制御2024

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] Interactions of glial cells with lymphatic vessels in the injured brain2023

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第64回日本神経病理学会総会学術研究会・第66回日本神経化学会大会合同大会
  • [学会発表] リンパ管のリモデリングによる脳病態制御2023

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第83回日本解剖学会中部支部学術集会
  • [学会発表] Interactions of glial cells with lymphatic vessels in the injured brain2023

    • 著者名/発表者名
      Konishi H, Kiyama H
    • 学会等名
      The 50th Naito Conference on Glia World
    • 国際学会
  • [学会発表] 脳損傷部位に形成されるリンパ管網による細胞残骸排出システム2023

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第42回日本認知症学会学術集会
    • 招待講演
  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/read0138943

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公開日: 2024-12-25  

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