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2023 年度 実施状況報告書

デルタ2グルタミン酸受容体の構造的及び代謝活性的シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05967
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

幸田 和久  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40334388)

研究分担者 井端 啓二  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30462659)
藤岡 仁美  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50410064)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードデルタ型グルタミン酸受容体 / Cbln / ニューレキシン / シナプス / プルキンエ細胞
研究実績の概要

Cbln1のGluD2への結合による、シナプス後部に発現するシナプス形成及び可塑性に関与すると考えられるタンパク質の局在変化を免疫組織化学的に探索した。Cbln1欠損マウス小脳初代培養プルキンエ細胞に、神経棘を標識するactin-mCherryとEGFPを融合させた候補タンパク質(Shank2, CaMKII alpha, PICK1, Homer1, PSD93, SAP97, S-SCAM, PTPMEG, GRIP1, GRIP2など)を導入し、精製Cbln1処理によって生じる、GluD2と候補タンパク質との分布と位置関係の変化を定量的に解析した。Cbln1処理によりGluD2はシナプスに集積したが、上記候補タンパク質のうち、GluD2と有意に近接してくるタンパク質は見られなかった。
また、近位依存性ビオチン標識法を用いてGluD2との直接的な相互作用を変化させる分子を探索した。本実験では、GluD2の細胞内C末端にビオチンリガーゼであるTurboIDを融合させたGluD2-TurboIDを作成し、L7プロモーターとTet-offシステムによって発現誘導を可能としたうえで、Cbln1欠損マウス由来の小脳初代培養系のプルキンエ細胞に導入した。その発現を誘導後、精製Cbln1処理を行い、ビオチン化タンパク質をストレプトアビジン・ビーズを用いて回収した。十分量のサンプルが得られ次第、質量分析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Cbln1欠損マウスの繁殖力が落ち、培養に用いるための個体数が予定よりも大幅に少なかったことが、進捗を遅れさせた最も大きな要因である。Cbln1欠損マウスの野生型へのバッククロスを行い、個体数を増やすとともに世代交代を進め、実験計画遂行に十分な個体数を得られるようにする。

今後の研究の推進方策

Cbln1処理によってGluD2に近接してくる候補タンパク質が見られなかったことは、実験が過剰発現系であったことによる可能性がある。この点を、候補タンパク質に対する特異的抗体を用いて免疫組織化学的に検証する。また、免疫組織化学的手法ではダイナミックに変化する分子間相互作用を捉えることが困難である可能性もあるので、近位依存性ビオチン標識法による解析を進める。また、イメージングの手法を用いて、標識した候補タンパク質とGluD2との分布の変化をリアルタイムで観察し、Cbln1とGluD2の結合によるシグナル伝達の下流分子を探索する。

次年度使用額が生じた理由

Cbln1欠損マウスの個体数が十分得られなかったため、使用を予定していた試薬などに対する予算を消化できなかった。マウスの増産を進め、実験計画を予定通りに進められるようにする。

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公開日: 2024-12-25  

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