研究課題/領域番号 |
23K05982
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
酒井 大輔 金沢医科大学, 一般教育機構, 講師 (90632646)
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研究分担者 |
東海林 博樹 金沢医科大学, 一般教育機構, 教授 (10263873)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | un uteroエレクトロポレーション |
研究実績の概要 |
Fgf15の発現ベクター(Fgf15-CAGS)を作製し、in uteroエレクトロポレーション法により胎生13日目の外側基底核隆起(LGE)への遺伝子導入を試みた。その結果、LGE近傍への遺伝子導入に成功し、妊娠16日目まで母体中で胚発生を進めることにも成功した。遺伝子導入から72時間後のLGE近傍で、Fgf15タンパクの発現を免疫染色により確認できた。このことから、本方法によりLGE近傍という限局した領域で安定的にFgf15を発現させることが可能となった。しかし、Fgf15の強制発現による尾側基底核隆起(CGE)由来の抑制性神経の異所的誘導は起こらなかった。その主な原因として、(1)胎生13日目では遺伝子発現のタイミングが遅いこと、(2)LGEの腹側に効率良く遺伝子導入ができない、の2点が考えられた。現在、大脳スライス培養法を利用したFgf15の強制発現系の開発を進めている。 Gm110046ノックアウトマウスの戻し交配が完了した。Gm10046のホモ欠損マウスを作製したところ、ホモ欠損マウスは出生し、仔の形態にも異常は認められなかった。また、ホモ欠損個体の繁殖能も正常であった。胎生14日目のGm10046ホモ欠損胚を回収し、大脳基底核隆起における異所的な抑制性神経誘導の有無を調べた。しかし、異所的な抑制性神経の誘導は認められなかった。異なる時期の大脳を用いた解析を今後は予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、pEF-BOSベクターをベースにFgf15の発現ベクターを作製していたが、Fgf15が組織内で安定的に発現せず、大脳の凍結切片を用いた免疫染色では、Fgf15タンパク質の合成を検出することができなかった。そこで、いくつかの発現用プラスミドを試し、最近になって、pCAGSベクターがFgf15を大脳組織内で安定的に発現させることができることがわかった。また、in uteroエレクトロポレーション法によりLGEに遺伝子を導入することが非常に難しく、安定してLGE近傍に遺伝子が導入できる技術を習得するまでに時間を要した。 また、Gm10046ノックアウトマウスが予想に反して、形態や生育、繁殖能力に異常を示さなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Fgf15の強制発現によりCGE由来抑制性神経の異所的誘導が起こらなかった原因として、(1)胎生13日目では遺伝子発現のタイミングが遅いこと、(2)LGEの腹側に効率良く遺伝子導入ができない、の2点が考えられた。そこで、より早い時期の大脳のLGEに遺伝子導入が可能となる、大脳スライス培養法とエレクトロポレーション法を組み合わせた遺伝子強制発現系の利用を検討している。さらに早い時期での遺伝子導入が必要となった場合は、大脳基底核隆起特異的なcreドライバー(Gsx2-creなど)の導入を検討する予定である。 Gm10046ノックアウトマウスに関しては、妊娠14日目以外のステージの大脳を用いて、異所的な抑制性神経の誘導の有無を調べていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Fgf15の強制発現系の構築とin uteroエレクトロポレーションによるLGEに限局した遺伝子導入技術の習得に予想以上に時間を要した。そのため、予定していた実験計画に若干の遅れが生じ、大脳組織内の低酸素領域の可視化などが実施できなかった。それに伴い、研究成果が学会発表のレベルに達せず、参加を予定していた学会での発表を回避したため未使用額が生じた。 次年度は、大脳組織内の低酸素領域の可視化を実施する。また、その成果を含めて、学会発表を行う予定であり、その費用に使用する予定である。
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