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2023 年度 実施状況報告書

大脳皮質と線条体の多様な機能領域に対応する代表的局所回路ニューロンの形態の領域差

研究課題

研究課題/領域番号 23K05991
研究機関熊本大学

研究代表者

福田 孝一  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (50253414)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード体性感覚 / 大脳皮質 / バレル / パルブアルブミン / ギャップ結合 / vibrissa
研究実績の概要

初年度は大脳皮質のなかでも詳細な形態学的・生理学的研究の蓄積がなされてきた一次体性感覚皮質、特に齧歯類におけるバレル野における、未知の領域差について詳細な検討を行い、当教室からの国際学術論文として発表した(eNeuro 0518-22.2024)。齧歯類の顔にある高感度センサーの髭(vibrissa)は、夜行性動物としての行動に重要な機能を持つが、そこから入力を受けるバレル野では、髭の配列にぴったりと一致したカラム構成が見られる。しかし後内側にある大型バレルの領域とそれに対応する長い髭(macrovibrissa)に関する研究がほとんどであり、大脳皮質でその前方外側に連続して大きく広がる小型バレルの領域については、形態学的研究は極めて乏しかった。しかしながら先行研究の行動実験では、口の周りにある短く密生するひげ(microvibrissa)をもちいて、動物は物体の精細な形状の認識をしていることが示唆されており、網膜の中心窩に匹敵するという魅力的な仮説が提唱されている。本年度の研究で、小型バレルと大型バレルでは、その中にある神経細胞やシナプス結合、さらにgap junction による電気シナプス結合など、さまざまな点で統計学的にも優位な大きな違いがあることを証明した。すなわり、高感度センサーである髭とバレル野の体性感覚システムが、microvibrissa - 小型バレル領域と、macrovibrissa - 大型バレル領域の二つの系からなること、おそらく視覚系と同様の2系統のparallel streamsを構成し、行動にも反映されている可能性が強く示唆される結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

上記研究実績の概要に記したとおりである

今後の研究の推進方策

体性感覚皮質で明らかにした形態学的検討を、大脳皮質連合野に応用し、比較検討する。さらに線条体の部位差との関連を追究する。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度に出版した学術論文のオープンアクセス費用(約50万円)のクレジットカード支払いがR6年度にまたがることと、3年間の研究遂行の進行の実際に応じて、柔軟な使用が可能である基金の特性に鑑みての予算執行により、次年度使用額が0より大きくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The Anterolateral Barrel Subfield Differs from the Posteromedial Barrel Subfield in the Morphology and Cell Density of Parvalbumin-Positive GABAergic Interneurons2024

    • 著者名/発表者名
      Shigematsu Naoki、Miyamoto Yuta、Esumi Shigeyuki、Fukuda Takaichi
    • 雑誌名

      eNeuro

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1523/eneuro.0518-22.2024

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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