研究課題/領域番号 |
23K06038
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
吉田 圭佑 名城大学, 薬学部, 助教 (20709779)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 全合成 / N-N結合 / 軸不斉化合物 |
研究実績の概要 |
芳香族性複素環化合物がN-N結合を形成している化合物は、生物活性天然物、機能性分子、ホストゲスト化合物など多岐にわたって利用されているが、窒素同士を効率的に結合するためのホモあるいはクロスカップリング反応は未発達である。当研究室ではこれまで、独自のN-N結合形成反応を開発し、さらにN-N結合をもつ化合物の特異な性質を利用した転位反応を見出している。今回申請者は、生物活性天然物Dixiamycin familyの全合成を検討する。さらにこれまで報告例のない芳香族性複素環化合物の窒素同士のクロスカップリング反応の開発や、N-N軸不斉化合物の触媒的新規構築法を検討する。一つ目のテーマである生物活性天然物Dixiamycin familyの全合成では、N-N結合を形成する前駆体のxiamycin誘導体の合成に成功した。現在Dixiamycinの全合成に向け更なる検討を行っている。さらにカルバゾールとアクリドンを基質とする分子間N-N結合反応に成功し、現在反応機構を含めた更なる検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生物活性天然物Dixiamycin familyの全合成では、N-N結合を形成する前駆体のxiamycin誘導体の合成に成功しており、計画どおり順調に進んでいる。また、これまで報告例のない芳香族性複素環化合物の窒素同士のクロスカップリング反応の開発においては、カルバゾールとアクリドンを基質として、収率よくクロスカップリングが進行する方法論を確立することに成功した。このことから計画どおり研究が進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
生物活性天然物Dixiamycin familyの全合成では、xiamycin誘導体の合成に成功したことから、本化合を用いることでDixiamycin familyの全合成を目指していく。また、これまで報告例のない芳香族性複素環化合物の窒素同士のクロスカップリング反応の開発においては、カルバゾールとアクリドンを基質として、収率よくクロスカップリングが進行する方法論を確立することに成功したことから、他の基質を用いたクロスカップリングの検討も行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が計画より順調に進行したため予定していた試薬や溶媒の使用量を下回り、残が生じた。これらの調査は次年度において状況の改善具合を見ながら試薬や機器備品等の購入にあてていく予定である。
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