研究課題/領域番号 |
23K06062
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
北村 圭 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00756695)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ポリイソプレノイド / マイコケチド / 光延反応 / モジュラー合成 / CMMP |
研究実績の概要 |
本研究は高度に官能基化された化合物群の新規創出法の開発を目的とし、比較的小さな反応性分子に対するキラルユニットの逐次導入による多不斉点化合物の自在供給を実現するものである。具体的にはビススルホニル化合物を活性メチレン化合物として利用し、光延反応を逐次的に利用したキラルアルコールの集積化を行い、生物活性天然物を合成するための基盤構築を図る。 今年度はビスジチオールテトラオキシド(BDT)に対するアルコール類の逐次集積化により、ポリイソプレノイド化合物に見られる連続したキラル1,5-ジメチル構造の構築を検討した。その結果、ホスホラン反応剤であるシアノメチレントリメチルホスホラン(CMMP)を用いて光延反応を行なった際、BDTのメチレン炭素上で二重アルキル化が高収率で進行した。これを段階的に繰り返すことで不斉点を複数そなえた化合物群の系統的合成法を開発することができた。この方法を応用し、五つの不斉点を有する飽和ポリイソプレノイドであるマイコケチドの合成に展開した。この際、不斉源となるキラルアルコール類をそれぞれ高い光学純度で調製し、逐次光延反応によりこれらを順次連結することで、同化合物のモジュラー合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
逐次光延反応により、ポリイソプレノイド化合物の部分構造に相当する1,5-ジメチル基を有するビルディングブロックの不斉合成法を開発した(Synthesis 2024, 161.)。不斉素子として用いるキラルアルコールの立体化学により、これら化合物群における立体異性体の作り分けにも成功した。さらに本法を応用し、五つの不斉点を有するマイコケチドのモジュラー合成を達成した。以上のことから、当初の計画通り、研究が進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は逐次光延反応のさらなる展開として、ビタミンEおよびKを標的化合物とし、その全合成に取り組む。ビタミンEに関しては、側鎖部の不斉合成に加え、クロマン構造上に存在する不斉点の立体制御も重点的に検討する。
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