研究課題/領域番号 |
23K06072
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
中山 憲司 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (30442594)
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研究分担者 |
越智 元太 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (90833848)
池上 諒 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70881770) [辞退]
佐藤根 妃奈 新潟食料農業大学, 食料産業学科, 講師 (60579291)
塙 晴雄 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (40282983)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | MALDI-TOF/MS / qShot MALDI analysis / 毛髪 / 脂質 / 精神疲労 / 精神神経疾患 / ストレス |
研究実績の概要 |
マトリックス支援レーザー脱離/イオン化-飛行時間型質量分析(MALDI-TOF/MS)法は,極微量のサンプル中の低濃度分子の精密質量分析・超高感度検出に優位性を発揮する。本研究では,二つの国家資格の同時取得を目指して長期精神疲労を抱えている大学生を研究被験者として,下記の解析を実施する。1) 内在性物質の動態変化情報が蓄積されている毛髪から脂溶性代謝物を抽出し,その濃度を分析する。2)長期の精神的な疲労蓄積度合いについて,心理テストを活用して数値化する。3)二種の異なる情報の相関関係について統計学的な解析を実施し,大学生の精神衛生サポートへの可能性について考察する。 本年度は,下記の2つの項目について検討を実施した。1)脂溶性代謝物の毛髪からの抽出効率を高めるため,教育と研究について本学と国際交流協定を締結している台湾・中山医学大学病院の毒薬物質分析室を訪問し,抽出法の検討を実施した。同分析室は,台湾の公的機関と連携し,年間500件以上もの毛髪中の違法薬物(覚醒剤や大麻など)の分析を実施しており,毛髪からの化学物質の抽出法については豊富な経験と情報を有している。現地で,毛髪分析を実施しながら,本研究のターゲット物質の抽出効率を高めた。2)長期精神疲労の度合いを数値化する心理テストについて,研究被験者の負荷軽減が可能となる方法の検討を行い,最終的に九つの質問から構成される「こころとからだの質問表」(日本語版 Patient Health Questionnaire-9: PHQ-9)を採用し,訳者且つ著者である新潟青陵大学の村松公美子先生から使用許可を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究被験者の負荷を軽減出来る心理テストの調査と選択に時間を要した。また,被験者のリクルートも芳しくなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究被験者の心理的な負荷を軽減可能な,九つの質問で構成された「こころとからだの質問表」(日本語版PHQ-9)を本研究で使用することが可能となった。更には,ゼミ生による学生への呼び掛けが功を奏し,既に30名以上のリクルートに成功しており,二つの国家資格の受験に向けた長期精神疲労の蓄積度合いを解析する基盤が整った。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,被験者のリクルートも芳しくなく,当初想定した分析数に達しなかったため,次年度に繰り越すこととなった。次年度以降は被験者のリクルートも進んでおり,当初想定された分析数に迫る検体分析の実施が想定されており,慎重且つ適切な使用を目指す。
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