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2023 年度 実施状況報告書

核酸アプタマーの光化学的スクリーニング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K06088
研究機関鈴鹿医療科学大学

研究代表者

定金 豊  鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (60293304)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード光反応 / ジアジリン / S化DNA / トロンビン / 方法論開発 / SELEX法
研究実績の概要

抗体を用いた医薬品は、現代医療の中心的役割を担っていますが、抗体を大量かつ安価に生産することは極めて難しいのが現状です。核酸アプタマーは、抗体としての機能を有しながらも、核酸合成で生産できるため、単一物を迅速かつ大量・安価に準備することができます。そのため、パンデミックにも対応可能な次世代抗体分子と注目されています。しかしながら、目的の核酸アプタマークローンを得るためには、卓越した選別技術が要求され目的のアプタマーが得られないことも多々あります。本研究では、独自の光化学的新技術を核酸アプタマーの選別過程に導入し、医薬品候補となる核酸アプタマーを迅速に提供できる技術を開発することを目的としています。
我々が開発した核酸アプタマーに光反応基を導入する技術を用いて、トロンビンに対する光反応性核酸アプタマーを作製し、光反応基の導入により副次的な影響が生じるかを詳細に検討しました。その結果、光反応基の導入位置によりトロンビンへの結合特異性が異なることを見出し、導入位置については多角的に検討する必要があることを明らかにしました。本研究での核酸アプタマーの選別のためには光反応基をターゲットタンパク質に導入する必要がありますが、導入位置の異なる複数のタンパク質を準備し研究を行う必要があるといえます。この知見をもとに、現在、トロンビンタンパク質に光反応基を導入できるように、遺伝子工学を用いて、光反応基を導入する足がかりとなる構造の構築を進めています。足がかりをもつタンパク質と光反応基とを混合し、光反応基が過不足なく導入される条件を検討しています。今後は、光反応基を導入したトロンビンを用いて、疑似ライブラリーを使って目的の核酸アプタマーの選別効率を調査する予定です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、トロンビンに対する光反応性アプタマーを用いて、目的の核酸アプタマー選別に役立つ知見を得ることを目的として実験を進めました。研究実績の概要にも示したように、分析化学的な見地から様々な情報を得ることができました。さらに、光反応性トロンビンタンパク質の作製も着実に進めることができています。概ね、計画通りに進行しています。

今後の研究の推進方策

研究計画に従い、研究を着実に進めていきます。今後は、1)光反応基の導入位置が異なる複数の光反応性トロンビンタンパク質を作製します。2)疑似ライブラリーを用いて、光化学的選別法の開発のための基礎的データを収集していきます。3)選別性確度の高い光反応性トロンビンタンパク質を用いて、100,000,000,000,000種以上のDNA配列を有する核酸アプタマーライブラリーを用いて、目的の核酸アプタマーの選別に注力します。

次年度使用額が生じた理由

昨年度までの科研費で研究していた資産を利用して、本年度の研究の一部を実施することができました。そのため、新たに購入する消耗品を少なくすることができました。また、本年度が科研費採択初年度であり、交付時期により予算を使用できる期間が実質的短くなりました。これも次年度使用額が生じた理由の1つです。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Quantification of serine residue stereoinversion in a short peptide by reversed-phase high-performance liquid chromatography: analysis of mechanisms promoting serine stereoinversion2024

    • 著者名/発表者名
      Sadakane Yutaka、Kobayashi Mizuki、Sano Mitsuteru、Morimoto Shota、Hagino Megumi
    • 雑誌名

      Analytical Sciences

      巻: 40 ページ: 925~934

    • DOI

      10.1007/s44211-024-00543-5

  • [学会発表] 光反応基を導入したDNAアプタマーの特性評価2024

    • 著者名/発表者名
      定金 豊、坪倉朱里、笠井美月、伊藤優花、平井千尋、森本正大
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会 (横浜)2024年3月29日
  • [学会発表] 光反応基を導入したDNAアプタマーの分析面での評価2023

    • 著者名/発表者名
      定金 豊、坪倉朱里、笠井美月、伊藤優花、平井千尋、森本正大
    • 学会等名
      バイオメディカル分析科学シンポジウム2023 (北海道)2023年7月28日
  • [学会発表] トロンビン結合性核酸アプタマーの光化学的結合性評価2023

    • 著者名/発表者名
      定金 豊、笠井美月、伊藤優花、平井千尋、森本正大
    • 学会等名
      第45回日本光医学光生物学会 (島根)2023年6月23日
  • [学会発表] トロンビン結合性核酸アプタマーの光化学的手法を用いた結合特異性評価2023

    • 著者名/発表者名
      笠井美月、伊藤優花、平井千尋、森本正大、定金 豊
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会 (北海道)2023年3月27日

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公開日: 2024-12-25  

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