研究課題/領域番号 |
23K06125
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
小林 直木 摂南大学, 農学部, 助教 (90532250)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 免疫沈降 |
研究実績の概要 |
赤血球と血小板はどちらもスフィンゴシン1リン酸(S1P)輸送体のMFSD2Bを介して細胞内のS1Pを細胞外へ放出する。しかしながら、赤血球からのS1P放出が恒常的であるのに対し、血小板からのS1P放出は細胞の活性化に依存する点が大きく異なっている。赤血球由来のS1Pが血漿に含まれるS1Pの主な供給源になっているのに対し、活性化した血小板から放出されるS1Pは、創傷部位において血管新生や細胞増殖、細胞遊走を促進すると考えられている。本研究では、赤血球・血小板におけるMFSD2Bの活性制御機構を明らかにするため、MFSD2Bと相互作用する細胞内分子の同定とS1P輸送におけるそれらの役割の解明を目指している。 これまでに、スフィンゴシンキナーゼを安定発現させたCHO細胞において、3xFLAGタグ融合MFSD2B(3FLAG-MFSD2B)を発現させ、免疫沈降により精製する方法を確立しており、3FLAG-MFSD2Bと相互作用する細胞内分子の候補を複数見出している。また、MFSD2BのC末端側水溶性ドメインがリン酸化されること、およびリン酸化部位への変異導入によりMFSD2Bのリン酸化とS1P輸送活性が完全に消失することを明らかにしている。そこで、今後はMFSD2Bの野生型と非リン酸化変異体の3FLAG融合タンパク質を用いて免疫沈降を行い、MFSD2Bの野生型とだけ相互作用する細胞内分子および非リン酸化変異体とだけ相互作用する分子を同定し、MFSD2B活性化におけるそれらの分子の機能的役割について解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室の移転に伴い、1ヶ月程度実験のできない期間が生じたことから。
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今後の研究の推進方策 |
マウスもしくはラット赤血球・血小板においても免疫沈降により、MFSD2Bと細胞内分子の相互作用を確認する。また、赤血球前駆細胞株MEDEP-E14細胞やCHO細胞のMFSD2B発現株において、免疫染色によりMFSD2Bと細胞内分子の細胞内局在を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室の移転により、2023年度の研究期間が短縮されたことから、MFSD2B欠損マウスを用いた創傷治癒過程の解析を2024年度に行うため、その実験に必要となる消耗品等の購入に使用する。
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