研究課題/領域番号 |
23K06133
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安部 賀央里 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70440625)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 動物実験代替法 / 皮膚感作性 / 機械学習 / 有害性発現経路 |
研究実績の概要 |
本研究では、皮膚感作性評価法であるマウス試験の代替法として、申請者がこれまでに開発した機械学習を用いた予測モデルの技術を応用して皮膚感作性の強度指標を予測する定量的な機械学習モデルを構築する。さらに、予測モデルの解釈性を高め、適用範囲を拡大することで、実用的な皮膚感作性評価法の開発を目的とした。 令和5年度は、皮膚感作性に関するOECD ガイドライン(2022)の参考データやThe Cosmetics Europe skin sensitisation database(2022)を使用して、マウスの局所リンパ節試験の強度指標(LLNA EC3 値)を予測する定量的モデルの学習データを精査した。さらに、皮膚感作性に関連するin vitro試験の実験結果や、化学物質の構造情報である分子記述子、物性値情報から予測に使用する説明変数を選択した。機械学習のアルゴリズムとして勾配ブースティング木系を用いて、強度指標を精度よく予測する回帰モデルを構築した。特に学習データとは別の検証用データをランダム抽出する作業を繰り返し、複数得られるEC3の予測値のうち最小値を採用し、実測のEC3値との一致性をGHS区分で評価したところ、一致率が70%、過小評価は5%、過大評価は25%であり、過小評価を回避したモデルが得られた。また、皮膚感作性メカニズムに関連するin vitro試験やヒトの皮膚感作性データを収集し、試験的なモデル構築を開始した。 動物を使用しない新たな安全性評価手法として機械学習を用いた予測モデルの開発は、既存のデータを活用したin silicoアプローチとして有用なサポート情報を提供することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の計画では、OECDのテストガイドラインの参考データや拡大されたThe Cosmetics Europe skin sensitisation databaseを使用して強度指標の予測を行う定量的モデルを構築することを予定しており、これらの計画は予定通り実施できた。2023年度の動物実験代替法学会での発表も行っており、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に構築した皮膚感作性の強度指標予測モデルの精緻化を進め、性能向上を図る。また予測モデルの適用領域の設定や外部検証を実施し、その妥当性についても検討する。In vitro試験の代替法やヒトでの皮膚感作性も踏まえたケーススタディの準備も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予測モデル構築に使用する種々のデータベースの検討を中心に行った。予測モデルの詳細な検討を実施する際に必要となる高度な計算処理を行うハードウエア環境の準備は除外したため、次年度使用額が生じた。 次年度は、予測モデルの精緻化や適用領域、外部検証の実施を予定しているため、環境構築として使用する予定である。
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