研究課題/領域番号 |
23K06165
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
スイコ メリー・アン・ソテン 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 助教 (20363525)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ネフローゼ症候群 / 腎糸球体 / Nephrin / 化合物スクリーニング / HiBiT-Nephrin |
研究実績の概要 |
フィンランド型先天性ネフローゼ症候群 (CNF) は,腎糸球体の最終濾過膜 (スリット膜) を形成するタンパク質Nephrinの遺伝子 (NPHS1) 変異で引き起こされ,生後3ヵ月以内に高度タンパク尿を呈する希少難治性腎疾患である.Nephrin変異体の細胞膜上発現の低下により病態が発症することから,本研究では,HTSに耐えうるNephrinの膜上発現評価系の構築および化合物スクリーニングを企図した.まず,Nephrinの細胞外ドメインにHiBiTを付加したHiBiT-NephrinをHEK293T細胞に過剰発現させ,その膜上発現を特異的に発光で検出する評価系を確立した.このとき,臨床報告のある15種類の変異体のHiBiT-Nephrinの発光値は,既報のNephrin膜上発現の結果と正に相関した.次に,iPS細胞株を独自に樹立済みのE725D変異体に着目し,HiBiT-Nephrin安定発現細胞株を作製し,Selleck社の天然物化合物ライブラリー (計2601化合物) でのスクリーニングを行った.その結果,溶媒処置群 (対照群) の120 %以上の発光値を示す41個の化合物を同定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り,CNFの新規治療薬の開発を究極の目的に,HiBiT-Nephirin評価系を用いた化合物スクリーニングを実施し,Nephrinの膜上発現を促進する化合物の探索を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後,同様の化合物処置を行い,Western Blottingを行い,化合物処置により変動するHiBiTの発光値とp-NephrinおよびUpper band-Nephrin(N型糖鎖修飾(成熟度の指標))の発現量に相関があるか否かを検証する.さらに、Hit 化合物から2種類ずつを組み合わせ, HiBiT-E725D Nephrin安定発現細胞株に処置し,発光値を相加的に上昇させる化合物の組み合わせを探索する.将来的には,変異型 Nephrin 安定発現細胞株を用いたsiRNAスクリーニング(特に、小胞体品質管理機構に関わる分子のsiRNA)を行う.最終的に,CNFの新規治療薬開発における重要な基礎的知見を提供するとともに,Nephrinの膜上発現促進機構の解明に向けた研究を実施していく.
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