研究課題/領域番号 |
23K06167
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
有田 智洋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00756794)
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研究分担者 |
小西 博貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448739)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | extracellular vesicles / 胃癌腹膜播種 / drug delivery system |
研究実績の概要 |
近年、腫瘍から細胞外に能動的に分泌された細胞外小胞体(extracellular vesicles:EV)が血液中を循環し、転移先細胞に取り込まれ、転移形成に有利となる微小環境を構築する可能性が報告されている。EVをtargetとした治療戦略としてdrug delivery systemとしての利用が注目されており、EVに癌抑制的microRNAを導入しdrug delivery system (DDS)として利用し、腹腔内投与を行うことによって腹膜播種の進展を抑制する可能性について検討している。 まずは胃癌に対して癌抑制的に作用するmicroRNAを文献的に検索し、let-7a, miR22-3p, miR-338-3pをその候補とした。これらのmicroRNAを中皮細胞(MeT-5A)にmimic導入したところ、miR-338-3pは中皮細胞と胃癌細胞の接着能を低下させた。また、胃癌細胞由来のEVよりもMeT-5A由来のEVの方がより効率的に細胞に導入されることを確認した。 そこでmiR-338-3pをExo-Fect transfection kitを用いてMeT-5A由来EVに導入し、これをMeT-5Aに取り込ませたところ、mimicと同様に胃癌細胞と中皮細胞の接着能が抑制される現象を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初立案した研究計画に沿って概ね順調に結果が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
Exo-Fect transfection kitを用いて癌抑制型microRNAが導入されたEVを腹腔内投与することで得られる腹膜播種の進展抑制効果を動物実験によって確認する予定。
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