研究課題/領域番号 |
23K06200
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
石川 和樹 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30779822)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Streptomyces / actinorhodin / ピラン環 |
研究実績の概要 |
今年度は、ベンゾイソクロマンキノン(BIQ)系ポリケタイド(PK)の共通生合成中間体DNPAの生成に関与するピラン構築を触媒することを明らかにしているグラナチシン(GRA)生合成酵素Gra6の詳細な機能解析を行った。特に、Gra6による反応生成物であるDNPAの3位不斉炭素の立体化学を確定させることで、本酵素の機能の立体制御能力を明らかにすることできる。 すでに構築してあるGra6の異宿主発現システムを用いてGra6を発現・取得した。これを、同じくすでに構築済みのS-DNPA合成系に組み込むことでGra6によるDNPA合成系を構築した。本反応系によって生成されたDNPAの立体化学を、キラルカラムを用いたHPLCによる光学分析を行った。その結果、本酵素は厳密に立体化学を制御した反応を触媒していることが明らかになった。さらに、先行研究において、Gra6の反応に関与することが示唆されていたGRA生合成酵素の関与をin vitroで評価するため、Gra6と同様の手法を用いて組換え酵素の調製を行い、前述のGra6によるDNPA合成系に組み込み生成物の評価を行った。その結果、先行研究で推測されていたGra6の反応への関与は認められなかった。また、分子モデリングソフトMOEを用いた反応基質とのドッキングシミュレーションを行うことで、Gra6による反応メカニズムの一端を明らかにすることができた。 以上の研究結果は、2023年度(第37回)日本放線菌学会(広島)においてポスターで学会発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では、Gra6の機能解析を目標に計画を立案をしている。特に、Gra6による生成物の立体化学の解明は本研究課題の主題である「立体化学の制御」において、重要な過程である。そのため、今年度の実験結果によってこれらを明らかにできたことは、来年度以降の進捗においても大きく寄与する。また、今年度の研究結果においては、学会での発表を行えており、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究結果により、ピラン環の構築に関与すると推測されていた酵素のひとつであるGra6の機能解析を行うことができた。そこで、来年度以降では、同様の手法を用いてピラン環の構築に関することが推測されている各種酵素の機能解析を行う予定である。また、今年度の結果については、学術論文での発表を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における酵素反応に用いる反応基質は高額であり、実験の進捗状況が思わしくない場合、試薬費を中心に支出が増大する。今年度は、実験の円滑な進捗によって想定よりもこれらの試薬費などへの支出が抑えられた。そのため、次年度使用額が生じた。来年度は、申請者の所属機関の変更などもあり試薬費などへの支出が想定よりも多くなる可能性があるため、前述の次年度使用額を利用して研究の遂行を行う予定である。
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