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2023 年度 実施状況報告書

がん細胞内異物解毒酵素のGSK3を介する新規発現調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06268
研究機関名城大学

研究代表者

加藤 美紀  名城大学, 薬学部, 准教授 (70345594)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードGSK-3 / UGT1A / がん細胞 / 誘導
研究実績の概要

本年度は、まずはUGT1Aが発現しているヒト肝がん由来Huh-7細胞を用いて、GSK-3阻害薬であるCHIR99021、SB216763およびTWS119を48時間曝露し、UGT1A1、UGT1A4、UGT1A6、UGT1A9 mRNA発現量について、リアルタイムPCRを用いて測定した。GSK-3阻害によりWnt/β-cateninシグナル経路が活性化されるが、Wntシグナル標的分子の一つであるleucin-rich repeat-containing G-protein-coupled receptor 5の発現量は、本検討で用いた全てのGSK-3阻害薬の曝露により増加した。従って、本実験条件でGSK-3が阻害されていることを確認した。UGT1A1、UGT1A4、UGT1A6、UGT1A9 mRNA発現量は、全てのGSK-3阻害薬により増加した。UGT1A1、UGT1A4、UGT1A6は、CHIR99021による発現変動が最も大きく、それぞれ101、7.5、10倍であった。また、UGT1A9はTWS119による変動が最も大きく、21倍であった。さらに、siRNAによりGSK-3βをノックダウンし、これら4種のUGT1A mRNA発現量の変動を同様に測定したところ、全ての分子種で増加した。以上より、GSK-3はUGT1Aの発現制御に関わっていることが示唆された。また、UGT1Aの発現調節に関わるaryl hydrocarbon receptor(AhR)やNF-E2-related factor 2(Nrf2)、pregnane X receptor(PXR)のmRNAについても、GSK-3阻害薬曝露による影響を検討した。AhRはSB216763以外のGSK-3阻害薬により誘導されたが、最大で1.7倍であった。Nrf2については、CHIR99021により1.3倍に増加し、TWS119では0.84倍に減少したが、変動は大きくなかった。PXRについては、すべてのGSK-3阻害薬で誘導され、最大で3.0倍であった。GSK-3βはAhRのリン酸化に関わるとの報告や、GSK-3の阻害によりNrf2タンパク質の安定性が増すとの報告がなされている。従って、次年度以降、GSK-3阻害薬曝露によるこれら核内受容体のタンパク質発現変動ならびに核内移行性についても検討する必要があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に大きな問題はなく、進行している。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、Wnt/β-catenin経路を介したUGT1Asの発現調節について明らかにし、また、GSK-3による核内受容体の発現調節を介したUGT1Asの発現調節について検討する予定である。また、これらの発現変動が、実際にUGT1Asの機能に及ぼす影響を明らかにするために、UGT1Aの基質の解毒速度の測定方法について検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Glycogen synthase kinase 3阻害薬がUGT1A発現に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      加藤美紀、灘井雅行
    • 学会等名
      日本薬学会第144回年会

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公開日: 2024-12-25  

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