研究課題/領域番号 |
23K06282
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
田原 耕平 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30454325)
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研究分担者 |
伊藤 貴章 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (20878160)
山添 絵理子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (90964049)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バインダージェッティング方式3Dプリンタ / 粉末積層造形 / ポリビニルアルコール / オーダーメード製剤 |
研究実績の概要 |
3Dプリンタを医薬品製造に適用することで錠剤特性が容易に変更可能になることから、オーダーメイド製剤の製造手法として近年注目されている。粉末積層造形のバインダージェッティング(BJ)方式はインクジェットヘッドからインク液を噴射し、粉体層を一層ずつ固める方式である。既存の医薬品添加剤や原薬粉体をそのまま使用でき、他の方式よりも生産性が高い。本研究ではBJ方式3Dプリンタによるアセトアミノフェン錠剤の設計を試み、目的とするオブジェクトの錠剤成形が可能な原料粉体やインク液の特性を明らかにすることを目指した。賦形剤に乳糖水和物、結合剤にポリビニルアルコール(PVA)を用いた処方を基準とし、BJ方式3Dプリンタにより錠剤を成形した。PVA割合は錠剤物性に影響したことから、PVAが結合剤として機能していることを確認した。適切な粉体物性を有する原料を用いることで、普通錠からミニタブレットまで様々な形状の製剤を調製できた。一方、成形条件によっては斜円柱型の造形物になったことから、インク液の最適化の必要性が示唆された。改善検討の結果、0.5% (w/v) Tween 80水溶液をインク液として用いた場合には、CADデータに近い錠剤を作成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で使用した3Dプリンタが一時的に故障したため修理をする必要があったが、おおむね当初の研究計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
バインダージェッティング方式3Dプリンタに適用可能であり、含量均一性など一定の品質を有する製剤を調製できる医薬品添加剤や調製プロセス条件を引き続き探索する。添加剤や錠剤形状などが薬物溶出に及ぼす影響を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な物品注文について、一部納品が間に合わなかったため。
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