研究課題/領域番号 |
23K06293
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
浦嶋 庸子 大阪大谷大学, 薬学部, 講師 (90636309)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | フェニトイン / 経腸栄養剤 / 連続投与 |
研究実績の概要 |
令和5年度においては、抗てんかん薬であるフェニトイン (PHT) に対する経腸栄養剤1週間連続投与の影響について明らかにした。 PHTは主に、CYP2C6により4-HPPHに代謝され、4-HPPH は CYP2C11によってさらに代謝される。そこで、経腸栄養剤(F2α、ラコールNF、エンシュア・リキッド、エンシュア ・H) を1週間連続投与した場合の、ラットにおけるPHT および主代謝物である 5-(4’-hydroxyphenyl)-,5-phenylhydantoin (4-HPPH) の血中濃度変化と、代謝に関わる CYP2C6およびCYP2C11の発現量変化について検討した。7-8 週齢の SD 系雄性ラットに対して各経腸栄養剤を給水瓶にて 1 週間自由摂取させた。その後右頸静脈へカニューレを挿入し、PHT 30 mg/kg を胃ゾンデにて強制経口投与した。その結果、control群と比較して、F2α群およびラコールNF群ではTmaxに延長傾向があるものの、AUC0→7hに変化はみられなかったが、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群では Tmax の延長および AUC0→7hの低下傾向が見られた。また、PHTに対する 4-HPPH の血中濃度比および AUC 比は、F2α群およびラコールNF群では低下傾向にあり、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群では上昇傾向にあった。さらに、ラットの肝組織中の代謝酵素について、ラコールNF 群、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群ではCYP 2C6およびCYP2C11のmRNA発現量がcontrol群に比較して有意に低下し、F2α群はCYP2C11のみが有意に低下した。 以上より、経腸栄養剤の1週間連続投与が、PHTの吸収低下もしくは吸収遅延、さらに代謝の阻害を引き起こすことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、フェニトインの他、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタムについて検討する予定であるが、すでにフェニトインとカルバマゼピンについて概ね完了している。令和6年度で、バルプロ酸、レベチラセタムについて検討を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、フェニトイン(PHT)における結果について、血中PHT濃度の変化、ならびに関連する代謝酵素のmRNA発現量変化について明らかにした。令和6-7年度においては、バルプロ酸ならびにカルバマゼピンについて明らかにすると共に、消化管運動機能に対する影響についても検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度における支出について、物品を割引で購入できたことから、残額が6,463円生じた。この残額分は令和6年度で物品費として使用する。
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