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2023 年度 実施状況報告書

TRPP3チャネルによる心筋・交感神経情報伝達系(cAMP系)への影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K06342
研究機関弘前大学

研究代表者

村上 学  弘前大学, 医学研究科, 教授 (80302090)

研究分担者 富田 泰史  弘前大学, 医学研究科, 教授 (00431437)
三好 一郎  東北大学, 医学系研究科, 教授 (10183972)
竹島 浩  京都大学, 薬学研究科, 教授 (70212024)
長友 克広  弘前大学, 医学研究科, 助教 (30542568)
丹羽 康貴  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40590071)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードカルシウム / イオン / マウス
研究実績の概要

本研究の目的は、多発性嚢胞腎(PKD)関連分子であるTRPP3チャネルの“心筋における交感神経情報伝達系(cAMP系)への関与”を解明することである。PKDは進行性の多発性嚢胞腎を特徴とするが、高血圧、交感神経トーヌスの亢進、内皮細胞機能異常に伴う血管抵抗上昇など、心血管系の合併症が死因となる場合が多い。
TRPP3のチャネルポアを欠くdominant-negative 遺伝子を構築した。作製した変異遺伝子(dnTRPP3遺伝子)をマウス雄性前核に注入し、dnTRPP3過剰発現マウスを作製した。このトランスジェニックマウスは2系統(A, Bライン)作製したが、組み込まれた遺伝子数が多い系統を用いて循環器系の解析を行った。心筋における変異遺伝子の過剰発現(RT-PCR)を確認後、タンパク分子として変異TRPP3過剰発現していることをWestern法で確認した。
このマウス系列を用いて交感神経刺激下、心筋の収縮力や活動電位を評価し、TRPP3の心筋における役割を解析した。
心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。dnTRPP3過剰発現マウスの心電図において、 上室性期外収縮が起こることを見出した。他に、陽イオンチャネルの一種類である電位依存性カルシウムチャネルサブユニット間の新規結合部位を自らが開発した手法を用いて同定した(Murakami et al., Sci.Rep. 2023)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トランスジェニックマウスを2系統(A, Bライン)作製する事に成功し、心筋における変異遺伝子の過剰発現(RT-PCR)を確認後、タンパク分子として変異TRPP3過剰発現していることをWestern法で確認した。心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。dnTRPP3過剰発現マウスの心電図において、 上室性期外収縮が起こることを見出した。研究報告もいくつか論文発表しており順調である。

今後の研究の推進方策

トランスジェニックマウス作製に成功し、変異遺伝子過剰発現マウスの解析も順調に進んでいる。今後、さらに循環器系の解析を続行する。

次年度使用額が生じた理由

論文投稿費用が高騰しているため、論文投稿に備え、次年度に相当額を使用することとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Rapid method for plasmid DNA recombination (Murakami-system)2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami AM, Yonekura M, Nagatomo K, Niwa Y, Itagaki S, Murakami M.
    • 雑誌名

      MethodsX

      巻: 10 ページ: 102167

    • DOI

      10.1016/j.mex.2023.102167 .

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A simple, dual direct expression plasmid system in prokaryotic and mammalian cells2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami M, Murakami AM, Yonekura M, Miyoshi I, Itagaki S, Niwa Y.
    • 雑誌名

      PNAS Nexus

      巻: 2 ページ: 1-3

    • DOI

      10.1093/pnasnexus/pgad139.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A novel binding site between the voltage-dependent calcium channel CaV1.2 subunit and Cavβ2 subunit discovered using a new analysis method for protein-protein interactions.2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami AM, Nagatomo K, Miyoshi I, Itagaki S, Niwa Y, Murakami M.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 13 ページ: 13986

    • DOI

      10.1038/s41598-023-41168-4

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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