研究課題/領域番号 |
23K06401
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田口 昭彦 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20634744)
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研究分担者 |
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
太田 康晴 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60448280)
富永 直臣 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教(テニュアトラック) (90891507)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | E4BP4 / マクロファージ / 炎症性腸疾患 |
研究実績の概要 |
炎症性腸疾患は難治性の自己免疫疾患であり、その病態メカニズムにはマクロファージが関与する一方、発症要因としては生活習慣が大きく関与している。我々は糖代謝における時計遺伝子E4BP4の分子メカニズムを解明する中でマクロファージにおけるE4BP4の機能に着目し、マクロファージ特異的にE4BP4を発現させたマウス(M-E4BP4)を樹立した。興味深いことにM-E4BP4では炎症性腸疾患モデルの病態を改善できることを見出した。さらにPreliminaryな検討ではE4BP4はマクロファージの極性を炎症性から抗炎症性へ方向づける役割を有しているというデータを得つつある。 本研究では、マクロファージにおいてE4BP4が抗炎症性への分極を誘導する分子であるのか?そうであれば、このメカニズムに基づき炎症疾患が治療できるのか?これらの問いに答えるため、マクロファージ特異的E4BP4強発現マウスや、E4BP4欠損および強発現マクロファージ細胞株の遺伝子発現や蛋白発現を確認し、E4BP4が抗炎症性マクロファージへの分極を誘導していることを証明する。またE4BP4を過剰発現させたマクロファージを大腸炎モデルに輸注し、治療可能かどうかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の要となるマクロファージ特異的E4BP4強発現マウスおよびE4BP4を欠損・強発現した細胞株の作製は完了し、順次解析を進めている。
E4BP4がマクロファージにおいて抗炎症性へと分極を誘導するメカニズムに関しては、現在、ChIPシーケンスやATACシーケンスを行い、その結果を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
E4BP4マクロファージの輸注効果の検討に進む。 これまで、マクロファージ特異的にE4BP4を強発現するマウスにて腸炎の改善が有意に速いことが明らかとなった。 今後はM-E4BP4マウスから単離したBMDMや、野生型から単離したBMDMにレンチウイルスを用いてE4BP4を強発現させた細胞を野生型DSS誘導性腸炎マウスに輸注して、治療効果が得られるのか否かを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究室に残っている試薬で実験が可能であったことと 主にデータ解析に時間を要したため、予定の金額よりも少額で実験が可能であった。 しかしながら来年度は、多くの試薬を購入する必要があるため、今年度の未使用額を次年度使用額とする。
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