研究課題/領域番号 |
23K06419
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研究機関 | 滋賀県立総合病院(臨床研究センター) |
研究代表者 |
谷垣 健二 滋賀県立総合病院(臨床研究センター), ゲノム疫学研究部門, 専門研究員 (70362473)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | schizophrenia / 22q11 deletion syndrome / epistasis / copy number variation / QTL |
研究実績の概要 |
統合失調症は多因子遺伝病であるが、その遺伝性の複雑性のため原因遺伝子の同定には至っていない。最近のゲノム医学の進歩により、染色体の微小欠損、微小重複が統合失調症に非常に強く関与することが報告された。これらの染色体異常に関与する遺伝子群が統合失調症発症脆弱性に関与する可能性が示唆される。 これらの染色体異常の中で、最も寄与率が高いのが22q11.2領域である。22q11欠損症候群のモデルマウスの発生学的、行動学的解析を行った結果、海馬歯状回と大脳皮質 介在神経細胞の発生遅延をきたし、統合失調症様行動異常(Prepulse inhibition (PPI)での感覚情報処理異常、MK801等のNMDA受容体阻害剤への感受性亢進、社会行動異常)を示すことが明らかとなった。22q11欠損領域には、神経発生に関与する遺伝子群(Dgcr8,NgR1, Zdhcc8, Ranbp1)、ドーパミン関連遺伝子群、NMDA受容体関連遺 伝子が存在する。22q11領域におけるどの遺伝子群の欠損の相互作用が行動異常を惹起するのか明らかにするため、海馬歯状回の発生や白質形成といった神経発生に関与する遺伝子群の単独KO マウスの発生学的、行動学的解析を行った。 その結果、22q11欠損領域に存在する神経発生に関与する遺伝子群の単独KO マウスのいくつかは、統合失調症様行動異常を示すが、その行動異常プロフアイルは22q11欠損症候群と異なることが明らかとなった。行動異常が認められたノックアウトマウスを掛け合わせて、ダブルノックアウトマウスを作製し、行動実験や発生学的解析を行い、22q11領域に存在する遺伝子間の相互作用の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた計画は概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
22q11欠損領域には神経発生に関与する遺伝子群、ドーパミン関連遺伝子群、NMDA受容体関連遺伝子が多く存在することが知られている。22q11領域におけるどの遺伝子群の欠損の相互作用が行動異常や神経発生異常を惹起するのか明らかにするため、22q11領域に存在する遺伝子のKOマウスで行動異常に関与するもののdouble KO マウスを用いて行動実験や発生学的解析、生化学的解析を行うことによって、22q11領域内における遺伝子欠損の相互作用の行動異常における意義の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
22q11領域におけるどの遺伝子群の欠損の相互作用が行動異常を惹起するのか明らかにするため、神経発生異常に関与する遺伝子群の 単独KOマウスの掛け合わせを行ったが、実験に必要な数のマウスが十分にぞろわなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
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