研究課題/領域番号 |
23K06530
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
柴田 敏史 鳥取大学, 医学部, 講師 (30725057)
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研究分担者 |
Wolf Matthias 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, 教授 (90630947)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | V型線毛 / 腸内細菌 / Bacteroides / Bacteroidota |
研究実績の概要 |
腸内バクテロイデス細菌のV型線毛を試験管内で重合させ、それを用いてクライオ電子顕微鏡構造解析を行うことを目的として、Hisタグ融合型V型線毛のストークピリンのクローニングと大腸菌による大量発現系の構築を行った。これまでBacteroides ovatus、 Bacteroides thetaiotaomicronのピリンタンパク質が大腸菌内で大量発現されることを確認し、それらをカラムによって精製することができた。現在、得られたピリンの試験管内重合条件を検討している。並行して、B. ovatus、 B. thetaiotaomicron、 Bacteroides fragilis、 Bacteroides eggerthii、 Phocaeicola vulugatusの菌株を入手し、菌体からの線毛構造の単離精製を行うための培養条件の検討も行なっている。さらに、V型線毛の一種であり未だ構造が決定されていない歯周病菌 Porphyromonas gingivalis のMfa 線毛のクライオ電子顕微鏡構造解析を行い、近原子分解能での構造決定と原子モデルの作成を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
線毛タンパク質の大量発現系が構築でき、目的タンパク質が得られた。嫌気性腸内Bacteroides細菌の研究室内での培養法も確立した。しかしながら、クライオ電子顕微鏡構造解析を行うために充分なV型線毛重合体サンプルは得られておらず、解析が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
得られた精製タンパク質を元に、試験管内線毛重合系を確立しクライオ電子顕微鏡構造解析を行う。菌体からV型線毛を単離し、それを用いて構造解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに購入していた消耗品の予備を優先的に使用したため、物品費の支出が少なかった。クライオ電子顕微鏡解析用の試料作成が遅れており、研究代表者が研究分担者所属機関で共同で構造解析するための旅費の支出が少なかった。 次年度には解析試料が準備できる予定であり、試料送付費用、旅費の支出が生じる予定である。
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