今後の研究の推進方策 |
1) Rap1, talin1, kindlin-3欠損ナイーブT細胞を単離し, 固相化抗CD3抗体と抗CD28抗体により刺激してTCR刺激によるCD3の細胞内領域のチロシンリン酸化, その下流のZap70とLAT/SLP76のリン酸化、PLCγ活性化過程、および後半のシグナルのCa2+経路, MAPK経路, Akt経路の活性化過程, NFAT, AP-1そしてNFkBなどの転写因子の核移行の過程をリン酸化の測定や免疫染色による局在検討およびイメージストリームによるビッグデータ定量的解析により同定する。 2)Rap1, talin1, kindlin-3欠損T細胞ではIL-2Rの発現が低下のため, Th1やTh2産生に影響する可能性がある。そこで, これらのナイーブCD4陽性T細胞を単離し, Th1, Th2, Th17, Treg, Tfhへの分化をサイトカイン産生(IFNγ, IL-4, IL-17など)や責任転写因子(T-bet, GATA3, RORγcなど)の発現の測定により検討する。CD8陽性T細胞の場合は記憶細胞とエフェクター細胞への分化を測定する. 3)Rap1, talin1, kindlin-3がアクチン骨格の制御を介してTCRシグナルを調節する可能性を検討するため, Rap1, talin1, kindlin-3欠損ナイーブT細胞のTCR刺激によるRhoGTPaseの活性化をプルダウンやFRETにより測定する。
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