研究課題/領域番号 |
23K06706
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大野 喜也 兵庫医科大学, 薬学部, 准教授 (40509155)
|
研究分担者 |
田中 稔之 兵庫医科大学, 薬学部, 教授 (30217054)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / IL-18 / 自然リンパ球 |
研究実績の概要 |
IL-18は、強いINF-γの誘導活性を介してI型免疫応答を惹起するほか、組織の恒常性維持にも関わる。これまでに、IL-18を免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor, ICI)併用すると、ICIの抗腫瘍作用が増強されることに加え、ICI誘発肝傷害が抑制される可能性を見出した。さらにIL-18が肝臓の2型自然リンパ球(ILC2)を誘導することを見出した。そこでIL-18によって誘導されるliver ILC2が肝傷害に対して正常組織保護作用を示すのか明らかにする過程で、まずIL-18がliver ILC2の特性に与える影響を解析した。その結果、liver ILC2には少なくともIL-2Rα(CD25)とIL-18Rα(CD218a)の発現パターンの異なる2つのサブセットが存在し、特にIL-18はST2+ CD25low/- IL-18Rα+ ILC2を選択的に増加させた。これはIL-33によって誘導されるILC2(ST2+ CD25+ IL-18Rα- ILC2)とは異なっており、固有の役割を示唆するものであった。これらの生理的な役割について、検討を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育業務の負担が増加し、解析のためのエフォートを計画よりも若干縮小せざるを得なくなったため。
|
今後の研究の推進方策 |
IL-18活性化liver ILC2が肝障害に与える影響について、マウス肝障害モデルを用いて解析していく。肝障害モデルマウスに対して、IL-18やIL-33の投与、さらにIL-18活性化liver ILC2の養子移入を行い、血清逸脱酵素や組織学な線維化を指標に、肝障害に与える影響を明らかにする。またIL-33によって活性化したliver ILC2との違いについてもRNA sequenceを用いた解析などで追及する計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験が一部未実施となったことに加え、試薬や実験動物の使用量が予定より少なく済んだため、支出額が小さくなった。これにより、次年度使用額が生じた。 2023年度未実施の実験計画について2024年度以降に随時取り組み、これにあわせて予算執行していく予定である。
|