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2023 年度 実施状況報告書

5-FU系抗がん剤による味覚障害に対する消化管味覚受容体を介した新たな治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23K06721
研究機関大阪公立大学

研究代表者

平良 高一  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00783713)

研究分担者 細見 周平  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60554938)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード小腸上皮特異的Tas1r3欠損マウス
研究実績の概要

本研究では、5-FU系抗がん剤の有害事象である味覚障害に対する消化管味覚受容体の役割を明らかにすることを目的とする。5-FU系抗がん剤の投与によって生じる味覚障害は、経口摂取に直接的な影響を与え食事量の低下やそれによるQOL低下の原因にもなり治療継続を困難にすることもある。発症機序や治療方法に関して様々な報告がなされているが、未だに確立されていない。本研究は、味覚受容体の一つであるTAS1R3受容体の腸管上皮特異的ノックアウトマウスモデルを用いて、消化管味覚受容体が味覚障害に対する病態機序の解明することを目的としている。まず、小腸上皮特異的Tas1r3欠損マウスと全身Tas1r3欠損マウスおよび対照コントロールマウスを用いて8週齢・12週齢・24週齢で比較検討することとした。小腸上皮特異的Tas1r3欠損マウスを作成するも、小腸特異的かどうかを調べるために腸炎モデルやリアルタイムPCR、マイクロアレイにて検討をおこなった

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Tas1R3の発現について局在は小腸>十二指腸>大腸と報告されている。まず、我々がよく実験で使用しているDSS腸炎モデルで発現の差を見ることにした。Tas1r3の腸管上皮特異的ノックアウトマウスのDSS腸炎モデルでは野生型と比較して発現の有意差は認めなかった。そのため小腸炎モデル作成を行うことになり、その前に小腸粘膜でリアルタイムPCRを行った結果、腸管特異的ノックアウトマウスなのに、食道、胃、大腸で優位差を認めた。次の実験としてn数を増やしても小腸ではTas1R3の発現低下がみられなかった。そこでプライマー配列を変更し新規プライマーでリアルタイムPCRをおこなった結果、小腸(十二指腸、空腸、回腸)でTas1R3の発現が低下している傾向を認めた。リアルタイムPCR後のPCR産物を電気泳動すると
シングルバンドではあるが、腸管でのTas1R3 KOは証明できなかった。STC-1細胞株でWestern Blottingするも証明はできなかった。腸管上皮のリアルタイムPCR・Western Blottingでは腸管特異的ノックアウトマウスなの証明が難しいと考えマイクロアレイで検討中である

今後の研究の推進方策

腸管特異的ノックアウトマウスの証明方法を解明後に小腸上皮特異的Tas1r3欠損マウスと全身Tas1r3欠損マウス、および対照コントロールマウスを用いて8週齢・12週齢・24週齢で体重変化を経時的に観察し、食事摂取量を評価する。その後に味覚反応試験をおこない、摂取性、中立性、嫌悪性行動を調査し、実際の食行動に与える影響(感受性)を調査する。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた実験ができなかったため

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公開日: 2024-12-25  

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