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2023 年度 実施状況報告書

肝細胞癌と辺縁部線維芽細胞のシングルセル解析による病態解明と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K06739
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

國土 貴嗣  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 肝胆膵外科 医員 (40802921)

研究分担者 杉山 真也  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, テニュアトラック部長 (20612427)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード肝細胞癌 / シングルセル解析 / データベース / 微小血管浸潤 / 背景肝疾患
研究実績の概要

肝細胞癌35検体に対してシングルセル解析を行い、背景肝疾患における肝炎ウィルスの有無により肝細胞癌に浸潤する免疫細胞の種類が異なることを明らかにすることができた。具体的には、腫瘍浸潤免疫細胞の種類を遺伝子発現プロファイルに従って48種類のクラスターに分類して背景肝の肝炎ウィルスの有無により比較検討した。そのクラスターのプロファイルはB型肝炎ウィルス陽性症例と肝炎ウィルス陰性のnonBnonC症例で類似していることが分かった。一方のC型肝炎ウィルス陽性症例ではB型肝炎ウィルス陽性症例とnonBnonC症例と比較して、Type 3 innate lympholid cell(ILC3)とCD8陽性NKT細胞の浸潤が多い傾向を認めた。また、non B non C症例とB型肝炎ウィルス合併症例ではC型肝炎ウィルス合併症例と比較して、M2様マクロファージの浸潤が多い傾向を認めた。nonBnonC症例ではS100A8/9/12陽性の単球の浸潤がB型肝炎ウィルスおよびC型肝炎ウィルス合併症例と比較して多い傾向を認めた。IGH, IGLとJCHAIN陽性の形質細胞はnonBnonC症例とC型肝炎ウィルス陽性症例においてB型肝炎ウィルス陽性症例と比較して多い傾向を認めた。これらのことから肝細胞癌の免疫療法への効果を決定づけることが報告されている肝細胞癌における腫瘍浸潤免疫細胞の種類が肝細胞癌の発生要因である背景肝疾患における肝炎ウィルスの有無によって決まることを明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝細胞癌に浸潤する免疫細胞の種類が背景肝疾患に依存することを確認できたため。

今後の研究の推進方策

肝細胞癌における浸潤免疫細胞の種類が背景肝疾患により異なることが明らかにできたため、今後背景肝での免疫細胞の種類を検討し、論文化を行う。

次年度使用額が生じた理由

肝細胞癌における腫瘍浸潤免疫細胞の種類が背景肝の肝炎ウィルスの有無により決まることを明らかにすることができたため、背景肝に対してのシングルセル解析を継続して行い、背景肝における浸潤免疫細胞のプロファイルが肝細胞癌における腫瘍浸潤免疫細胞のプロファイルと類似していることを明かにするため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Tumor infiltrating immune cells in hepatocellular carcinoma differs according to the viral status2024

    • 著者名/発表者名
      Kokudo T, Sugiyama M, Takemura N, Yoshizaki Y, Mihara F, Inagaki F, Kokudo N.
    • 学会等名
      APASL Kyoto
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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