研究課題/領域番号 |
23K06746
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
中前 博久 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30364003)
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研究分担者 |
岡村 浩史 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00803149)
中嶋 康博 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40548567)
康 秀男 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90419698)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 移植後シクロフォスファミド / 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL) / HLA-Bリーダー遺伝子型 / アルデヒド脱水素酵素遺伝子多型 / 自然免疫系細胞 / 大型顆粒リンパ球(LGL) |
研究実績の概要 |
①PTCyによるHLA半合致移植成績の分析:成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)に対する移植後シクロホスファミドによるHLA半合致末梢血幹細胞移植(PTCy-haplo PBSCT)の長期予後を、当院のATL患者22例で解析を行った。その結果、血縁ドナーからの移植、またはPTCy-haplo PBSCTが長期予後が良好であることが示された。また、HLA-Bリーダーを介したPTCyの投与量の移植片対白血病効果への影響の分析をPTCy-haplo PBSCTを受けた99人の患者を解析した。その結果、標準PTCy用量と異なり、低用量群では、M- HLA-Bリーダー遺伝子型と比較してM+遺伝子型は全生存期間に有意に悪影響を及ぼすことが分かった。以上の結果は国内の学会で報告するとともに、国際雑誌で論文化を行った。 ②PTCyを用いたHLA半合致同種造血細胞移植におけるドナーおよびレシピエントのALDH遺伝子多型と移植後アウトカムとの関連の解析:研究課題目「移植後の大量シクロホスファミドを用いたHLA半合致同種造血細胞移植におけるドナーおよびレシピエントのaldehyde dehydrogenase(ALDH)遺伝子多型と移植後アウトカムとの関連の解析」の研究プロトコールの倫理委員会の承認を得て、遺伝情報の解析を終了し、移植後予後との関連を現在解析中である。 ③PTCyハプロ移植における移植片の分析、移植後のNK細胞サブセット、ILCs、MDSCsの再構築のGVHDへの寄与の解析:自然免疫系細胞の研究については、研究課題名「同種造血幹細胞移植後の自然免疫系細胞・大型顆粒リンパ球(LGL)と移植予後の関連を探索する研究」のプロトコールの倫理委員会の承認を得て、研究を遂行中である。また、移植片の分析については、移植片のマルチカラーサイトメトリー分析を行い、移植予後との関連を分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定してる複数の研究のプロトコールを作成し、当施設の倫理委員会の承認を得て、研究を開始できている。症例の登録、および分析もほぼ予定どおりに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は前向き観察試験の症例登録を加速するとともに、研究結果が出たものから順次、学会発表、および論文化を行う予定である。また、マウスを用いた基礎的な研究についても並行に準備を進めていく予定である。基礎研究が順調に進まない場合は、新たに研究者の協力を依頼する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調達方法の工夫などにより、当初計画より経費の節約ができたため。
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