研究課題/領域番号 |
23K06750
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田代 晴子 帝京大学, 医学部, 教授 (50433884)
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研究分担者 |
白崎 良輔 帝京大学, 医学部, 講師 (40569133)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | CAR-T / AML / CLL-1 / CRISPR screen |
研究実績の概要 |
申請者のこれまでの研究で、恒常的IL-7受容体の共発現は、CLL-1.CAR-T細胞のサイトカイン非存在化での持続性を高め、抗腫瘍効果の増強に寄与することが確認されているが、このブースター因子の選択は、文献的考察、理論的に検討した上で選択したもので、さまざまな因子から網羅的に検討し選択されたものではない。 本研究においては、CLL-1.CAR-T細胞の抗腫瘍効果を増強する至適因子をCRISPR screenをもちいた網羅的解析によって同定することである。 初年度には、HL60-spCAS9、THP1-spCAS9にBrunelo libraryを形質導入した。更に、HL60- dCAS9-VP64、THP1-dCAS9-VP64にCalabrese libraryを形質導入した。これら細胞のうち、40MLN細胞をFlow cytometry (FCM)にてsortした。我々は上位10%、下位10%をソートし、更に、それら細胞が十分に再増殖するのを待ち、更に40MLN細胞の上位10%、下位10%をソートする事を2回行い、CLL-1の発現上昇、低下細胞の純化に成功した。これらをNext-generation sequence (NGS)によってデータを解析の上、MAGeCK algorithmを用い解析を行ったところ、遺伝子ごとにBrunelo libraryでは4つのsgRNA、Calabrese libraryでは6つのsgRNAがあり、これらの相同が得られて初めて有意ととるが、残念ながらランダムなsgRNAしか同定不可能であった。これらランダムなsgRNAを5個ずつ使用しHL60のCLL-1発現を確かめたところ発現の上昇、下降ともに認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請者は上記実験を行い、結果を得たものの、残念ながら期待通りの発現上昇、下降をもたらすsgRNAを得られなかった。原因としてHL60の中にも最初からCLL-1の発現上昇細胞、発現低下細胞などがあり、これらを純化してしまった可能性が高いと考えられる。このため、実験のやり直しが必要であったため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今回の失敗は発現上昇、下降の細胞を純化しすぎてしまった事が原因と考えており、当初の予定通りCLL-1発現上位10%と下位10%の一回のsortingでsgRNAを抽出する事とした。細胞は既に出来ており、現在この実験を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進捗に遅れが出ており、計画した実験まで終了しなかったが、次年度に持ち越して使用予定である。
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