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2023 年度 実施状況報告書

CRISPR screeningデータベースを用いた、BRCA変異乳癌の新たな 合成致死因子同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K06760
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大西 威一郎  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (70750214)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード合成致死 / 乳癌細胞株 / CRISPR library / in silico screening
研究実績の概要

2023年度は、CRISPR library screening libraryより、BRCA1またはBRCA2変異陽性乳癌細胞株にessentialな候補遺伝子として11個(SF1, PHF5A, SF3B3, UBL5, COPB2, CDC27, EIF1AX, NPIPB6, CDK1, SS18L2,PCNA)同定した。そのValidationとして。各候補遺伝子のsiRNAを、正常乳腺細胞株:MCF10A、BRCA1変異陽性のHCC1395細胞、BRCA2変異陽性のHCC202細胞にそれぞれ導入して、候補遺伝子のknock downを誘導後に、MTS assayを行った。MCF10AおよびHCC 1395においては、各siRNAにおいて細胞増殖の抑制は認められなかったが、HCC202細胞では、11個のうち10個(SF1, PHF5A, SF3B3, UBL5, COPB2, CDC27, EIF1AX, NPIPB6, CDK1, SS18L2)において、細胞増殖の抑制が認められた。
候補遺伝子の検証として、データベース上では検討されていない細胞株での検討が必要と考え、BRCA1/2変異を有さない乳腺細胞株:MCF10A、および乳癌細胞株AU565細胞に、CRISPR-cas9システムにより。BRCA1またはBRCA2のノックアウト細胞の樹立を試みた。しかし、MCF10AおよびAU565細胞ともに、BRCA1またはBRCA2KO細胞において、細胞致死および細胞増殖の抑制が強いため、完全なノックアウト細胞株の樹立には至らなかった。
研究成果を、第112回病理学会総会において発表し、優秀演題症を獲得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

候補遺伝子の検証用に用いる、乳腺細胞株:MCF10A、および乳癌細胞株AU565細胞へのに、BRCA1またはBRCA2のノックアウト細胞株の樹立に難渋しているため。細胞株のデータベースより、両細胞においては、BRCA1およびBRCA2はessenntialな遺伝子ではないことは確認していたが、実際にCRISPR-cas9を用いて、変異を導入すると、細胞致死および細胞増殖の強い抑制がかかり、限界期釈法またはsoft agar assayからの樹立が困難であった。

今後の研究の推進方策

今後も、BRCA1またはBRCA2ノックアウトした、MCF10AおよびAU565細胞細胞株の樹立を継続するが、うまくいかない場合は。他の細胞株での代用、またはノックアウト細胞株の購入を検討する。
並行して、データベースおよび病理検体を用いた候補遺伝子の発現の確認や、各候補遺伝子の阻害剤の探索を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験の遅れ、BRCA変異細胞株の構築に苦労しており、同様の実験のやり直しを行なっていたため、物品購入の予定が遂行できなかった。
次年度は、BRCA変異細胞株の構築は、ある程度のところで打ち切り、細胞株の購入により遂行する予定である。また、阻害剤の購入に充当したいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Indirect CRISPR screening with photoconversion revealed key factors of drug resistance with cell?cell interactions2023

    • 著者名/発表者名
      Sugita Keisuke、Onishi Iichiroh、Nakayama Ran、Ishibashi Sachiko、Ikeda Masumi、Inoue Miori、Narita Rina、Oshima Shiori、Shimizu Kaho、Saito Shinichiro、Sato Shingo、Moriarity Branden S.、Yamamoto Kouhei、Largaespada David A.、Kitagawa Masanobu、Kurata Morito
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 ページ: 582-

    • DOI

      10.1038/s42003-023-04941-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] データベースを用いた、 遺伝性乳がんの新たな合成致死因子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      韓知佑、 大西威一郎
    • 学会等名
      第109回 日本病理学会総会
  • [学会発表] Identification of a new synthetic lethal factor for BRCA- mutated breast cancer using CRISPR screening database2023

    • 著者名/発表者名
      Iichiroh Onishi
    • 学会等名
      第82回 日本癌学会総会
  • [備考] 東京医科歯科大学包括病理学ホームページ

    • URL

      https://tmdu-comppath.jp

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公開日: 2024-12-25  

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