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2023 年度 実施状況報告書

逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞の形態制御機構の解明とその医療応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K06814
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

山下 直也  神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 准教授 (40508793)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード軸索輸送 / NGF / セマフォリン / アルツハイマー病
研究実績の概要

長い突起である神経軸索の発達や機能は、軸索機能タンパク質群の局在により制御されている。しかしながら、軸索から遠く離れた細胞体(タンパク質合成の本体)が、どのようにして軸索が必要とする分子を認識し、その効率的な供給を制御するかは不明である。申請者は、神経細胞内の物流を司る軸索輸送が、逆行性・順行性軸索輸送の特異性を双方向性に制御することで、細胞体と軸索が連携する未知の情報処理機構の存在に着目した。そして、この機構の破綻がアルツハイマー病発症と関係する可能性を見出した。そこで本申請課題では、逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の作動と破綻の機構を解明し、そのアルツハイマー病治療への応用を目指した基盤研究を実施することを目的とする。
昨年度は、まず逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の未知の作動機構の解明を目指し、マウス個体を用いたオミックス解析系の構築を試みた。アデノ随伴ウィルスを用いたレポータータンパク質の発現系の構築を目指したところ、当初は目的タンパクの発現が弱く構築が難航した。しかし、プロモーター等の改良により、当初よりも10倍以上の発現が期待できるシステムの構築に成功した。
軸索輸送による情報伝達系の破綻とアルツハイマー病発症との関連については、ヒト検体における解析を進め、解析結果の検証を進めている。また、新たに発見したアルツハイマー病発症との関連が示唆されるタンパク質間相互作用をターゲットとした薬剤スクリーニング系の構築に成功し、化合物スクリーニングを行う準備が整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オミックス解析やヒト検体解析については予定より遅れている点もあるが、その代わりに、難航すると予想された薬剤スクリーニング系の確立ができ、総合的には順調に進んでいると判断できるため。

今後の研究の推進方策

まず、逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の未知の作動機構の解明を目指したオミックス解析については、マウス個体における発現条件の最適化が完了次第、オミックス解析を行う予定である。
軸索輸送による情報伝達系の破綻とアルツハイマー病発症との関連については、ヒト検体でのELISA測定を行っているが、測定シグナルの精度を検討するための検証実験系を構築することが出来たので、この系を用い、剖検脳、血液、必要に応じて髄液のヒトサンプルを用いた検証を進める。また、新規タンパク質間相互作用に着目したスクリーニングについては、化合物ライブラリを用いたスクリーニングを実施する。

次年度使用額が生じた理由

オミックス解析の立ち上げに予想以上に時間がかかった為と、参加した国際学会について、主催者からの補助などが得られ、当該予算を使用する必要がなくなったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Axonal targeting of TrkA-APP complex via transcytosis2023

    • 著者名/発表者名
      Naoya Yamashita
    • 学会等名
      Neurotrophic Mechanisms in Health and Disease Gordon Research Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Role of APP-PlexinA interaction in NGF-dependent APP metabolism2023

    • 著者名/発表者名
      Takumi Sekiguchi, Takashi Sakurai, Naoya Yamashita
    • 学会等名
      Neurotrophic Mechanisms in Health and Disease Gordon Research Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Aβ産生制御におけるAPP-PlexinAシグナルの機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      関口 拓己、櫻井 隆、山下 直也
    • 学会等名
      第148回日本薬理学会関東部会
  • [学会発表] 成体脳におけるセマフォリン3A発現を定量するELISAシステムの確立2023

    • 著者名/発表者名
      杉山 黎、林 克儀、中村 史雄、櫻井 隆、五嶋 良郎、山下 直也
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会

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公開日: 2024-12-25  

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