研究課題/領域番号 |
23K06832
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前川 達則 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30647673)
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研究分担者 |
太田 悦朗 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (60508042)
永井 真貴子 北里大学, 医学部, 講師 (80420488)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 腸管神経 / 水膜輸送 / α-シヌクレイン |
研究実績の概要 |
近年、パーキンソン病(PD)の研究領域では疾患発症機序の解明や新たな診断領域として腸管神経系(ENS)に注目が集まっている。本研究では1)alpha-synuclein(aSyn)が集積している腸管神経細胞の同定、2)腸管神経におけるaSynの線維化、凝集化の解析、3)AQP4-KOマウス腸管神経におけるaSynの集積と凝集化の解析、4)AQP4-KOマウス腸管神経叢への外来性aSyn接種モデルの作製と中枢神経病理の解析を行う。2023年度の研究実績を以下に報告する。 結果1:aSyn集積細胞の同定 ENSにおいて一部のaSynが神経細胞体に集積していることから、その細胞を明らかにすることでENSにおけるaSynの機能を推察することを目的とした。腸管神経叢ホールマウント試料を用いた免疫染色を行った結果、aSynの細胞体集積が見られる神経細胞は5-HT陽性の神経細胞であった。また、一部nNOS陽性の神経細胞にも陽性を確認した。 結果2:Blue-Native PAGEイムノブロット法とThioflavin assayによるaSynの線維化、凝集化の解析 生体においてaSynは単量体のみならず、様々な多量体を形成して存在している。それらの重合度の変化を解析することでaSynの線維化や凝集化を推察する。当初、重合度の変化をBlue-Native PAGE法で解析することを目指したが、条件検討の結果、High-Resolution-Clear-Native PAGE法が腸管におけるaSynの検出に適していることが明らかになった。Thioflavin Tを用いた凝集タンパク質蛍光検出法ではリコンビナントaSynの凝集化をリアルタイムで検出することに成功した。 次年度以降、確立した上述の解析法を用いてAQP4-KOマウス腸管神経の解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は当初の予定通り順調に研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は本年度に確立した実験系を用いてAQP4-KOマウス腸管神経の解析を進めていく。 また、腸管神経叢へのaSynの接種についても実験条件の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に納品予定であった試薬納品に遅れが生じたため、次年度の予算で計上する予定である。
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