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2023 年度 実施状況報告書

バンコマイシン耐性腸球菌感染に対する補中益気湯による薬剤感受性回復治療の提案

研究課題

研究課題/領域番号 23K06872
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

南 正明  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70418739)

研究分担者 牧野 利明  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80326561)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード補中益気湯
研究実績の概要

これまで抗菌剤治療の困難なバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する漢方薬・補中益気湯の除菌効果は、補中益気湯による宿主の免疫賦活活性作用によると考えられてきたが、補中益気湯がVREの保有する薬剤耐性遺伝子の脱落への関与の可能性があり、その確認の研究を先ず行った。バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)をブレインハートインフュージョン(BHI)液体培地で培養した後、補中益気湯エキス(HET)を添加したBHI寒天培地に塗布して培養した。ポジティブコントロールとして臭化エチジウムを使用した。培養2週間後に細菌を回収し、細菌のVCMに対する薬剤感受性をdisk diffusion法で評価した。また、細菌からプラスミドを抽出して、vanA遺伝子保有をPCRで確認した。薬剤感受性法によるVCMに対する耐性から感受性への変化、並びに遺伝子検出法によるvanA遺伝子検出の陰性化により、薬剤耐性遺伝子の脱落と評価した。その結果、寒天培地上でVCMによる阻止円が認められなかった無処理に対して、2週間のHET処理または臭化エチジウム処理で阻止円が認められ、薬剤感受性が回復した。さらに、無処理ではvanA遺伝子の発現が認められたのに対して、2週間のHET処理ではvanA遺伝子が欠損していた。以上の結果を当研究室で保存してあるVRE株でも再確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定では、補中益気湯による耐性遺伝子脱落に伴うVREの遺伝子レベルとタンパク質レベルでの変化の検討として、補中益気湯によるVREの染色体とプラスミドの遺伝子の全塩基配列の変化や補中益気湯によるVREの全遺伝子発現レベルの変化も実施する予定だったが、予定通り現状では進んでいない。

今後の研究の推進方策

補中益気湯による耐性遺伝子脱落に伴うVREの遺伝子レベルとタンパク質レベルでの変化の検討として、補中益気湯によるVREの染色体とプラスミドの遺伝子の全塩基配列の変化や補中益気湯によるVREの全遺伝子発現レベルの変化、医療用漢方エキス製剤147種類のVRE遺伝子脱落に関する探索、補中益気湯によるマウス腸管内VRE感染実験の除菌効果の検討を実施していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

補中益気湯による耐性遺伝子脱落に伴うVREの遺伝子レベルとタンパク質レベルでの変化の検討として、補中益気湯によるVREの染色体とプラスミドの遺伝子の全塩基配列の変化や補中益気湯によるVREの全遺伝子発現レベルの変化、医療用漢方エキス製剤147種類のVRE遺伝子脱落に関する探索、補中益気湯によるマウス腸管内VRE感染実験の除菌効果の検討を実施していく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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