研究課題/領域番号 |
23K06886
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大八木 保政 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30301336)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 糖尿病 / インスリンシグナリング / アポモルフィン / アミロイドβ蛋白 / モデルマウス |
研究実績の概要 |
最近、アルツハイマー病(AD)の早期段階においてアミロイドベータ蛋白(Abeta)を標的とする分子標的薬が承認されている。しかし、ある程度進行した認知症で認知機能を改善する効果はない。私たちが取り組んでいるアポモルフィン(APO)は脳神経細胞で低下しているインスリン受容体感受性、すなわち細胞内のインスリンシグナリングを改善することで、ADで進行した認知機能障害を改善することが期待できる。ADモデルの3xTg-ADマウスでは、脳組織におけるインスリンシグナリングの低下があり、APO治療でインスリン抵抗生が改善する。本研究では3xTg-ADマウスを用いて、認知機能やAD病理におけるAPOの効果を従来の糖尿病薬(Liraglutide、Vildagliptin、Metforminなど)と比較する。現在は、3xTg-ADマウスを九州大学から愛媛大学に移譲して、認知機能解析システムおよび病理解析システムのセットアップを進めている状況である。しかし、3xTg-ADマウスに対するAPO治療の条件は既に確立しているが、マウスの中枢神経系に対する糖尿病薬の至適投与条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3xTg-ADマウスに対する糖尿病薬投与の条件設定に時間を要している。また、大学院生の実験時間の制約などによる。
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今後の研究の推進方策 |
まず、APOによるPI3K-Aktシグナル活性化の機序に関する細胞実験の結果をまとめて論文を作成中であり、近日中に投稿を予定している。並行して、マウスにおけるin vivo実験系の確立を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が予定より遅れているため次年度への繰越が生じたが、次年度以降の研究で使用する見込みである。
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