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2023 年度 実施状況報告書

冬眠から老化メカニズムを探る -冬眠は老化細胞の蓄積を抑制するか-

研究課題

研究課題/領域番号 23K06892
研究機関帝京大学

研究代表者

山崎 丘  帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70301174)

研究分担者 石岡 憲昭  帝京大学, 医学部, 教授 (70184471)
寺田 昌弘  京都大学, 宇宙総合学研究ユニット, 特定准教授 (10553422)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード冬眠 / マウス / 老化 / 筋萎縮
研究実績の概要

本研究は、冬眠動物が冬眠中に筋萎縮を起こさないことに着目し、冬眠様低体温状態のマウスを利用してそのメカニズムや老化との関連を明らかにし、老化の予防や筋萎縮に係る治療薬の開発等を目指すものである。
マウスを冬眠様人工低体温状態に誘導するために、温度、湿度、二酸化炭素濃度、照度をモニターできる飼育設備を整備し、低体温状態を誘導する薬剤を投与したマウス、活動抑制するコントロールとして低濃度麻酔薬を投与したマウス、生理食塩水を投与したプラセボマウスおよび通常飼育(未処理)マウスの4群を飼育し、比較実験を行った。薬剤等は小型カプセル型浸透圧ポンプを皮下に埋め込み連続的に投与し、体温はサーモグラフィーカメラで測定した。
低体温状態を誘導する薬剤を投与して人工的に冬眠様状態に誘導したマウスと低濃度麻酔薬を投与して活動抑制したマウスでは、生理食塩水を投与したプラセボマウスおよび通常飼育マウスと比較して、体温が明らかに低下する傾向を示し、本飼育環境によりマウスを冬眠様人工低体温状態へ誘導できることを確認した。また、低体温状態を誘導する薬剤を投与したマウスは、低濃度麻酔薬投与マウス群に比べ、より体温が低下することが示された。さらに、安楽死後に採取した血中の血清タンパク質を超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー(UPLC)により分析したところ、低体温状態を誘導する薬剤投与マウスでは、低濃度麻酔薬投与マウスやプラセボ群に比べ増加するピークが観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人工低体温飼育環境を整備し、実際に冬眠様低体温マウスを飼育し、検体を得ることができた。また、血中の血清タンパク質分析において活動量減少に伴い発現量が変化するタンパク質が検出されており、詳細に分析中である。

今後の研究の推進方策

冬眠様状態誘導マウスにおいて、活動量減少に伴い発現量が変化するタンパク質の探索を続ける。また、ウエスタンブロッティング法等により、増加した血清中タンパク質の同定を試みる。

次年度使用額が生じた理由

マウスの飼育実験の最適化に時間を要したため実験回数が計画より少なくなり、マウスの購入数、サンプル解析にかかる費用等が次年度に持ち越しとなった。次年度使用額は、前年度に計画されていたマウス飼育実験およびそれにかかる解析に使用する。

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公開日: 2024-12-25  

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