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2023 年度 実施状況報告書

アンクルバンド型加速度計による在宅での歩行速度計測の妥当性とフレイル判別能の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K06919
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

大渕 修一  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50265740)

研究分担者 河合 恒  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (50339727)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード歩行速度 / 日常生活 / フレイル / アンクルバンド / 加速度計
研究実績の概要

歩行速度は生活機能障害や認知機能低下など健康寿命に関する予測因子である。我々は日常生活における歩行速度測定(Daily life walking speed: DWS)に着目し、スマートフォン内蔵のGPSを用いてDWSの妥当性および臨床応用研究を行ってきた。しかし、GPSによる計測は屋外でのみ可能であり、フレイルの評価に必要な屋内のDWSに関する知見は不足している。そこで本研究では、屋内計測可能なアンクルバンド型加速度計によるDWSの信頼性およびフレイルや手段的日常生活活動能力の低下の判別能を明らかにするために、以下の調査を行う。
調査①:センサの信頼性検証:ゴールドスタンダード(従来研究の方法で計測した、実験室で一定距離を歩く際の歩行速度)とアンクルバンド型加速度計で計測した歩行速度の一致度を検証する。調査②:屋内DWSと屋外DWSの違い:6カ月間アンクルバンド型加速度計ならびにDWSアプリをインストールしたスマートフォンを携帯してもらい、屋内DWSと屋外DWSとの違いを調査する。調査③:健康アウトカムとの関連:屋内DWSとフレイルや手段的日常生活活動能力の低下との関連を調査する。
研究計画1年目の2023年度は、地域高齢者を対象としたコホート研究の会場調査において調査①を行った。509名の対象者の通常・最大歩行速度をアンクルバンド型加速度計(WALX X, ACOS社製)とストップウォッチで同時計測し、2つの計測の一致度を級内相関係数ICC(2,1)およびBland-Altmanプロットにより評価した。ICCは通常歩行速度が0.780、最大歩行速度が0.849と一致度は良好であったが、cの結果、最大歩行速度に関しては比例誤差が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画通り、調査①を完遂し、論文にまとめて投稿・審査中である。調査②のためのデータ収集にも着手しており、地域高齢者のコホートにおいてアンクルバンド型加速度計を配布、歩行計測アプリをスマートウォッチにインストールし、DWSデータの収集を行っている。同コホートでは毎年会場調査にて、本研究のアウトカムであるフレイルや日常生活活動能力データの収集を継続して行っており、調査③に必要なアウトカムデータを収集する体制も整っている。

今後の研究の推進方策

地域高齢者コホートにおいて収集しているアンクルバンド型加速度計とスマートフォンGPSによるDWSデータを分析する。2つの計測はサンプリング方法が異なるため、一致する時間のDWSをマッチングした上で、ICC(2,1)やBland-Altmanプロットによる一致度の分析を行う。
また、会場調査にて日本版Cardiovascular Health Study基準のフレイル指標、基本チェックリスト、老研式活動能力指標を測定し、身体的フレイル、基本チェックリストによるフレイル、手段的日常生活活動能力の障害などのアウトカムデータを収集し、DWSとの関係を横断的、縦断的に分析する。

次年度使用額が生じた理由

データ収集のための会場調査やアンクルバンド型加速度計、分析用グラフィックボードの購入の経費を計上していたが、別事業と連携して実施でき、必要経費が生じなかったため、次年度使用額が生じた。
次年度は、分析のためのソフトウェア等の購入、研究成果の発表のための学会出張、研究論文の英文校正、オープンアクセス化に研究費を使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Impact of combinations of subscale declines in higher-level functional capacity on 8-year all-cause mortality among community-dwelling older Japanese adults2023

    • 著者名/発表者名
      Kawai Hisashi、Ejiri Manami、Imamura Keigo、Ito Kumiko、Fujiwara Yoshinori、Ihara Kazushige、Hirano Hirohiko、Obuchi Shuichi
    • 雑誌名

      Archives of Gerontology and Geriatrics

      巻: 114 ページ: 105096~105096

    • DOI

      10.1016/j.archger.2023.105096

  • [学会発表] スマートフォンアプリによる日常生活における歩行速度と摂取食品数の評価2023

    • 著者名/発表者名
      河合 恒, 今村慶吾, 江尻愛美, 解良武士, 大渕修一
    • 学会等名
      第10回日本予防理学療法学術大会
  • [学会発表] スマートフォンアプリで測定した日常生活歩行速度の日内変動とフレイルのドメインとの関係2023

    • 著者名/発表者名
      河合 恒, 大渕修一, 江尻愛美, 今村慶吾, 伊藤久美子
    • 学会等名
      第65回日本老年医学会学術集会
  • [学会発表] Association Between Intra-day Variation in Daily Life Walking Speed and Frailty Measured by a Smartphone Application2023

    • 著者名/発表者名
      Hisashi Kawai, Shuichi P. Obuchi, Manami Ejiri, Keigo Imamura, Kumiko Ito
    • 学会等名
      IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023

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公開日: 2024-12-25  

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