研究課題/領域番号 |
23K07005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
趙 治磊 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50761277)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 統合失調症 / マイクロRNA / 脳・神経 / 遺伝子発現 |
研究実績の概要 |
統合失調症の発症には遺伝的要因や環境要因が関与していることが知られているが、確実な病因遺伝子や要因は同定されておらず、発症の分子メカニズムは不明である。これまでに申請者は統合失調症初回エピソード患者の血漿を用いたmicroRNA(miRNA)の網羅的発現解析から、miR-223が統合失調症の病態に関わる有力な候補因子であることを突き止めていた。 初年度では、miR-223のターゲットmRNA候補遺伝子を同定するために、ヒト神経芽細胞腫に由来の細胞株であるSK-N-SH細胞、miR-223の安定発現細胞株と対照する細胞株を樹立し、発現量の高いクローンを選択することに成功した。そして、レチノイン酸による成熟ニューロンへの分化を行い、分化した安定的miR-223発現するSK-N-SH 細胞とその対照細胞の遺伝子転写産物を抽出し、次世代シーケンサーを用いて、網羅的な発現解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
miR-223のターゲットmRNA候補遺伝子を同定するために、miR-223の安定発現細胞株と対照する細胞株を樹立し、発現量の高いクローンを選択することに成功した。そして、レチノイン酸による成熟ニューロンへの分化を行い、分化した安定的miR-223発現するSK-N-SH 細胞とその対照細胞の遺伝子の網羅的な発現解析を順調に行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後、遺伝子の網羅的な発現解析の結果を踏まえ、変動した遺伝子を抽出する。そして、in silico miRNA-mRNAの解析により、miR-223のターゲット因子を予測し、変動した遺伝子のリストと予測因子のリストを照らし合わせ、神経特異的なmiR-223のターゲットmRNA候補を絞り出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞実験などが順調に進行したため、物品費については想定していたよりも消耗品の購入額が少なくなった。
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