• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

うつ病モデルにおけるストレス性交感神経反応:HPA系による負の制御はあるか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K07046
研究機関愛知医科大学

研究代表者

山口 奈緒子  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50380324)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードストレス / コルチコトロピン放出因子 / 視床下部-下垂体-副腎皮質系 / 交感神経系 / カテコールアミン
研究実績の概要

ストレス反応は、本来生体に必須の防御機構である。しかし、過剰かつ持続するストレス反応、すなわちストレス応答の破綻は、ストレス不適応やストレス脆弱性をもたらし、さらにはうつ病などのストレス関連疾患の発症の契機となりうる。
ストレス反応の制御には、内分泌系、交感神経系および免疫系が複雑に関わり合う。通常、ストレス反応は一過性である。うつ病では、内分泌系のネガティブ・フィードバック機能の低下とそれに伴う高コルチゾール血症が特徴であり、抗うつ薬療法の奏効後のフィードバック機能正常化も報告されている。
我々は視床下部-下垂体-副腎皮質系フィードバックの破綻はストレス性交感神経反応も増大させるのではないかと仮説を立てた。我々はこれまで交感神経系活性化の脳内調節機構を解析してきた過程で、コルチコトロピン放出因子の脳内投与により顕著な交感神経反応が起こること、またその反応にNMDA受容体、GABAB受容体やプロスタノイドが促進性に関与することを明らかにしている。そこで本研究では、コルチコトロピン放出因子をキーとする調節系が視床下部-下垂体-副腎皮質系フィードバックの機能不全状態におけるストレス性交感神経反応に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
本年度はうつ病モデルラットを用いて、ストレス応答の消去系の機能不全がストレスによる交感神経反応にどのような影響を及ぼすかを検討した。その結果、機能不全によってストレス誘導性の交感神経反応がより増大することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定外の実験室改修があり、当該年度中盤に予定していた実験を行うことができなかったため。

今後の研究の推進方策

うつ病モデルラットを用いて、視床下部室傍核のグルタミン酸およびGABAの変化を中心に解析する。また、前年度に予定していた実験、すなわち急性および慢性のストレス負荷実験を本年度前半に行い、採取したサンプルを用いてストレスホルモンの変化を測定する。

次年度使用額が生じた理由

予定外の実験室改修のため、当該年度中盤に予定していた実験を行うことができなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Yokukansan, a traditional Japanese medicine, suppresses stress-induced sympathetic activation via central responses in rats.2023

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi N, Mruyama K, Okada S.
    • 雑誌名

      Nat. Prod. Commun.

      巻: 18 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1177/1934578X231203085

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ストレスによる交感神経反応と脳内調節メカニズム.2023

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi N.
    • 学会等名
      第76回日本自律神経学会総会.
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi