研究実績の概要 |
〇令和5年度はMRIのT2強調像に関して深層学習(Deel learning, DL)を用いた画像について,撮像条件の最適化および臨床例での有用性に関する検証を行った. T2強調像の撮像条件については,肝で行った検討(Ichinohe F, Oyama K, Yamada A, Hayashihara H, Adachi Y, Kitoh Y, Kanki Y, Maruyama K, Nickel MD, Fujinaga Y*. Usefulness of Breath-Hold Fat-Suppressed T2-Weighted Images With Deep Learning-Based Reconstruction of the Liver: Comparison to Conventional Free-Breathing Turbo Spin Echo. Invest Radiol. 2023 Jun 1;58(6):373-379. doi: 10.1097/RLI.0000000000000943. Epub 2022 Dec 26.)を踏襲した.膵のMRIを施行した連続87例について,T2強調像の視覚的評価と定量的評価を行った.その結果,自由呼吸下で撮像した従来の高速スピンエコー法(RG-TSE)は,撮像時間の平均が3分51秒で,呼吸停止下でDLを併用して撮像したTSE(BH-DL-TSE)(40秒)やDLを用いた呼吸停止下超高速スピンエコー法(BH-DL-HASTE)(20秒)と比較して最も長い時間を要した.視覚的評価については,BH-DL-HASTEで最もアーチファクトが少なく,膵の辺縁や主膵管の描出が最も良好であった.定量的評価については,信号雑音比については3つの撮像法で統計学的有意差を認めなかった.コントラストについては,BH-DL-TSEよりもRG-TSEやBH-DL-HASTEが高かった. この研究は,第80回日本医学放射線学会総会で発表し,現在論文化し投稿中である.
|