研究課題/領域番号 |
23K07058
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
永田 幹紀 三重大学, 医学部附属病院, 寄附研究部門教授 (40402028)
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研究分担者 |
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 教授 (20402688)
市川 泰崇 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (80725127)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 膵癌 / 細胞外液分画容積 |
研究実績の概要 |
過去の膵頭部癌または膵体部癌のうち、当院肝胆膵外科にて膵癌切除術を施行した患者の画像データを用いて、膵臓に関心領域(ROI)を設定するために、膵癌領域を検出する方法の検討を行った。当初はdynamic CTを用いて、動脈後期相を用いて描出をしようと試みたが、動脈後期相の画像のみでは膵癌の描出が困難な症例があり、門脈相、遅延相を参考に用いる必要があった。特に、膵癌の腫瘍径が1㎝未満の腫瘍では動脈後期相を用いた場合、正常膵と腫瘍の造影コントラストの差がわずかであり、膵癌の輪郭を描出しすることができなかったが、遅延相で膵癌が正常膵よりも濃染することが分かり、これを膵癌の領域として膵癌の輪郭を描出することができた。 dynamic CTの動脈後期相と遅延相の画像を用いて、膵癌と非膵癌の細胞外液分画の計測を行った。動脈後期相のCT画像で膵癌の輪郭を設定し、遅延相で膵癌部、非膵癌部にROIを設定して細胞外液分画の高い群、低い群に分け予後の関連について検討を行った。膵癌における細胞外液分画容積が高い群は、低い群と比較して予後が良いことが分かった(この結果については北米放射線学会にsubmit予定)。 Mapの作成については、位置合わせの方法について、非剛体レジストレーションによる検討を行っている。 上記の研究を行うにあたり、研究に用いる画像は匿名化を行い、全ての計測データの保存を行うために、viewerと接続する研究用データ保管用のNASの設置・構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Dynamic CT画像の多時相画像を用いて、膵癌の輪郭を手書きで描出することはできた。画像上で膵癌の関心領域(ROI)を設定し、細胞外液分画の計測を行うことができた。このデータを用いて予後との関連を検討することができた。 膵臓のmap作成に関しては現在のところ検討中である。Dynamic CTでは、撮影時の息止めの位置が同一ではないため、画像の位置合わせを行うことが必要であるが、位置合わせをする方法の検討が不十分である。Dynamic CT以外の画像について、画像毎の位置合わせの方法についても検討が不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
Dynamic CT画像の多時相画像を用いて、膵癌の輪郭を手書きで描出することはできたが、自動で膵癌の輪郭の抽出は出来ていない。自動抽出の方法については引き続き検討を行う。 Dynamic CTの多時相間の位置合わせの方法について検討を行う。さらに、Dynamic CT以外のMRI画像(拡散強調画像、潅流画像)、PET-CT画像(FDG集積)などの画像について位置合わせを行う方法について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における画像保存用のサーバーは、独立して外部に設置する予定であったが、サーバー本体の費用が予定よりも高くなることから、研究に用いる画像全てを保存するサーバーを設置するのではなく、画像解析後のデータのみを研究用画像保存用のNASに保存することとし、解析に用いる画像は逐次画像サーバーから引っ張ることとしたため、令和5年度の物品費を予定よりも安く済ませることができた。 一方、データ解析や発表用PC等の物品の購入や旅費については、円安やインバウンドによる宿泊費、航空機代の高騰のため当初の予定より支出が多くなる可能性があり、次年度は生じた予定額と予定配分額の使用について、内容の変更を検討する必要があると思われる。
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