研究課題/領域番号 |
23K07061
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70634278)
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研究分担者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30546502)
清水 康之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (80824234)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 放射光 / スリット照射 / SPring-8 |
研究実績の概要 |
SPring-8においてスリット照射システムの設置を確認し、問題ないことを確認した。 これまで、ビームラインに依存した照射システムで照射を行っており、ビームラインの変更はできない状況であったが、汎用性の高いスリット照射システムを開発することにより様々なビームラインで安定したスリット照射が行えるシステムを開発した。SPring-8などの公的研究機関のビームタイムは有限であり、様々な研究を推進する観点からビームラインのセットアップ変更は難しく、これまでスリット照射を行うのが可能なビームタイムは少ないのが現状であった。本システムの開発によりビームラインのレイアウト変更を最小限にした上でスリット照射が可能になった。 被照射体を設置するステージも汎用性を持たせ、小動物はもちろん細胞など様々な照射が可能なものを作成した。 今後、ビームを導入しスリット照射の再現性や線量、線量率などの確認を実施していく予定である。 患者由来のトリプルネガティブ乳がん細胞を用いたモデル動物の作成は順調に進捗しており、継代のタイミングや安定した匹数の確保も可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SPring-8でのビームタイムの確保に難渋していたが、現地での研究協力者の協力によりシステムの開発は順調に進捗している。2024年度にはビームを導入しスリット照射の再現性や線量、線量率などの確認を実施していく予定であり、今後急速に研究が加速できると考えている。 患者由来のトリプルネガティブ乳がん細胞を用いたモデル動物の作成は順調に進捗しており、継代のタイミングや安定した匹数の確保も可能であることを確認できている。SPring-8のビームラインの設定が完了すれば早急に照射実験に移行可能な状況である。また汎用X線装置を用いた抗腫瘍効果も確認し、SPring-8での照射線量の根拠になるデータを取得している。
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今後の研究の推進方策 |
SPring-8でのビーム設定を早急に完了することを第一目標とする。並行して乳がんモデルマウスの準備を行い、汎用X線装置での抗腫瘍効果の確認を実施していく。SPring-8のビーム設定の目途がたち次第ナノ粒子の準備を進めていく。 ナノ粒子の併用効果に関しては細胞実験で確認した条件をベースに設定していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
SPring-8での実験が遅れているため、研究費の使用予定が遅れている。2024年度以降はSPring-8での実験が増えることが予測されるため、消耗品費および旅費の増加が見込まれる。2025年度には研究成果の発表を予定しており、研究を確実に推進していく予定である。
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