研究課題/領域番号 |
23K07064
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
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研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部, 准教授 (30335872)
羽場 礼次 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90304584)
畠山 哲宗 香川大学, 医学部, 助教 (90602805)
則兼 敬志 香川大学, 医学部, 助教 (90623223)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | PET / 分子イメージング / 低酸素 / 神経炎症 |
研究実績の概要 |
脳腫瘍にPET分子イメージングを応用し、従来の画像診断と比べて、脳腫瘍の悪性度(グレード分類)、遺伝子変異予測、膠芽腫の予後評価などのさらなる精度向上を目指す。脳腫瘍における反応性アストロサイトを18F-THK5351(THK5351)で評価し、膠芽腫細胞の低酸素評価(18F-フルオロミソニダゾール)とも組み合わせ、悪性度や予後評価が向上できるのかを検討する。 腫瘍の低酸素状態は高悪性度神経膠腫における腫瘍の浸潤性を特徴づける因子として認識されている。高悪性度グリオーマ新鮮例において、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)変異と低酸素状態の関係を明らかにするために、18F-フルオロミソニダゾール(FMISO)PET/CTから求めた定量的指標の有用性を解析した。 手術前にFMISO PET/CT検査が行われた高悪性度神経膠腫患者33人を対象とした。定量的指標としてSUVmaxと、不均一性指標である31種類のテクスチャー指標を求めた。 IDH変異型腫瘍のFMISO SUVmax値は、IDH野生型腫瘍のそれよりも有意に低かった。テクスチャー指標では15種類の指標結果がIDH変異腫瘍とIDH野生型腫瘍の間で有意に異なっていた。 今回の結果から、FMISO PET/CTから抽出されたSUVmaxおよびテクスチャー指標は高悪性度神経膠腫患者におけるIDH1変異状態の予測に有用であるようであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低酸素状態を評価できる18F-フルオロミソニダゾールを脳腫瘍患者で実施できている。悪性度の違いやIDH変異型とIDH野生型の違いが評価出来る可能性が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は脳腫瘍患者に18F-フルオロミソニダゾール PET検査が実施できた。今後も脳腫瘍症例で18F-フルオロミソニダゾール PET検査が行えるようにする。また、神経炎症の評価が行える18F-THK5351 PET検査をあわせて実施し、低酸素状態と神経炎症のPET画像評価での相互関係、また、手術症例では悪性度評価など病理学的検討をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
PET薬剤合成のための薬剤購入に使用する予定であった消耗品の一つが年度内に納入することができなかったため年度内完了が困難となった。使用計画として、薬剤購入費に使用する。
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