研究課題/領域番号 |
23K07087
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
松原 佳亮 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40588430)
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研究分担者 |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | PET / 深層学習 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
PET(陽電子断層撮影)検査は生体機能を画像で定量できる有用な検査であるが、正確に生体機能を定量するためには侵襲性の高い動脈血の採血及び煩雑な代謝物分析を行い、正味の薬剤由来の血中放射能時間変化(入力関数)を取得する必要があり、被検者、検査従事者への負担が非常に大きい。 本研究では被検者、検査従事者への負担が限りなく少ないPET検査を実現するために、深層学習を用いて正味の薬剤由来入力関数をPET画像から予測する技術及びそのためのデータシミュレーション技術を確立する。 令和5年度はまず深層学習及びシミュレーションを実施するハードウェア・ソフトウェア環境の整備を実施した。またPET画像からの入力関数の予測についての実現可能性を検討するために、画像とテキストを処理する事前学習済み深層学習モデル(StableDiffusion)を用い、PET画像の処理を試みた。その結果、ある一定のテキストからのFDG PET画像の生成に成功した。このことから、PET画像とシーケンスデータ(テキスト等)との相互変換は可能であり、入力関数の生成についても実現できる可能性が示唆された。本研究課題については令和6年度の学会発表を予定している。 今後はStableDiffusionもしくはその類似モデルを用いて、入力関数とPET画像との相互変換を試みる。また代謝が変化した場合の入力関数データ及びPET画像データのペアをシミュレーションする技術の確立、環境の整備を遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における深層学習においては、いかに多数の入力関数及びPET画像のペアデータを用意するかがボトルネックとなっているが、そのシミュレーションについてはハードウェア環境を整備するまでに留まっている。今年度においてその技術の確立と環境の整備を急いで遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションの進捗状況に関わらず、まず手持ちのデータを用いてPET画像からの入力関数の予測が可能かの前検証を実施する。その際には前年度に用いたStableDiffusionやその類似モデルを活用する。 また代謝が変化した場合の入力関数データ及びPET画像データのペアをシミュレーションする技術の確立、環境の整備を急ぐ。そのためにシミュレーションのためのソフトウェアであるGATEの講習会への参加、及び勉強会の実施を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果を学会発表するため演題の登録を行ったが、当該学会の開催が次年度であったため、そのための旅費を次年度に繰り越した。本年度は主に学会への参加旅費、打ち合わせ旅費、その他消耗品の費用に使用する予定である。
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