研究課題/領域番号 |
23K07107
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菅 博人 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80789305)
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研究分担者 |
打田 佑人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20834261)
樋渡 昭雄 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30444855)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 定量的磁化率画像 / 磁化率分離 / 血液脳関門 |
研究実績の概要 |
本研究では「血液脳関門の機能障害が鉄沈着を引きおこす」という仮説を立てて,MRIを用いて非侵襲的に血液脳関門の水透過性および脳局所の鉄沈着の関係と加齢による影響を調べることを目的としている.本研究の成果は加齢性神経変性疾患の病態解明につながる可能性がある.本年度は血液脳関門の水透過性を調べるための撮影方法の最適化および,脳局所の鉄沈着をより正確に計測するために,MRIの位相画像に加えて緩和時間測定を組み合わせた磁化率分離法の開発を行った.磁化率分離法は,従来の定量的磁化率画像において生じる磁性の違う磁化率源が同一ピクセルに存在していた場合に相殺してしまう問題を解決することができる.さらに今回新たに開発した方法はこれまでに収集した定量的磁化率画像のデータにも適応可能であるため,非常に汎用性の高い手法であり本研究においても活用する予定である.新たに開発した手法は現在,論文投稿中である.またそれと関連して脳白質繊維とMRIの静磁場の角度によって,脳白質の緩和時間が変わる現象を調査した.これは白質のミエリンによって引き起こされ,本研究においても磁化率分離法から得られる値から白質の鉄沈着を評価する際にはミエリンとの関係をよく考察する必要があることが分かった.一方,血液脳関門の機能を評価するための撮影シーケンスの最適化がやや遅れており,ボランティアを1名しか撮影できていないため当初の予定であったデノイジングConvolution neural networkの作成が行えていない.2024年度はこれらの画像解析手法の開発および様々な年齢層のボランティア撮影を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳の鉄沈着をより正確に評価する手法の開発はできたが,血液脳関門の水透過を評価する手法の最適化,開発が行えていない.それは2023年度初頭,研究協力施設への立ち入りが新型コロナウイルスの影響で制限されており,手法の最適化を効率よく行えず,1名のボランティア撮影にとどまっており,研究の進捗はやや遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は血液脳関門の機能評価を行う撮影法の最適化を行い,それをもとに必要な画像処理法の開発を行う.それと同時に様々な年齢層のボランティアの撮影を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
英文校正の費用が想定よりも安価であったことや予定していた学会に参加しなかったためである.来年度の英文校正費用として使用する予定である.
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